就活解禁前のイベント開催7割超 県内上場企業にアンケート 人材確保に腐心、学生へPR

 下野新聞社が6日までに栃木県内上場23社を対象に実施した2025年入社の新卒採用に関するアンケートで、3月1日の就職活動解禁前にインターンシップ(就業体験)などを開催した企業の割合が7割超(17社)に上った。人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が続く中、就業体験などを通して企業への理解を深めてもらい、応募者数の増加につなげる動きが広がっている。

 アンケートは4月上旬~中旬に実施した。25年入社の採用に向け、就活解禁前にインターンシップなどの自社イベントを開催したのは、デクセリアルズ、TKC、藤井産業など17社。「就活解禁前に取り組んだこと」(複数回答)の答えとしては最多で、「大学主催の就活イベントへの参加」が15社、「就活情報サイトでの事業内容などの公開」が13社と続いた。

 イベントの内容は「法人渉外・個人渉外業務の疑似体験」(足利銀行)、「食品の開発体験」(仙波糖化工業)、「販売スタッフや販売促進担当業務の就業体験」(カンセキ)といった実務体験が目立った。マニーは昨年度にオンラインで会社説明や座談会などを実施したが、本年度は現場体験ができる対面式のインターンシップ導入を検討している。

 就活解禁前に自社イベントが盛んに行われる背景として、応募者数の確保に苦心する企業の現状がある。「採用活動の課題」(複数回答)を聞いたところ、「応募者数の減少」と答えた企業が17社で最多だった。次いで「内定辞退者が多い」が9社、「採用したいターゲットとなる学生からの応募が少ない」が8社だった。

 「採用予定人数に満たなかった場合の対応」(複数回答)では、「再度新卒採用の募集をかける」が11社、「社会人採用で対応する」が8社だった。一方、「本選考に応募しなかったが、インターンシップや説明会に参加した学生に個別にアプローチする」と答えた企業が5社あり、イベントに参加した学生を採用に結びつけようとする動きも目立った。

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