自衛隊の艦艇と航空機が初参加、離島への資機材や要員輸送の手順を確認 複合災害を想定、奄美で鹿児島県総合防災訓練始まる

車両を降ろす海上自衛隊の多用途支援艦あまくさ=25日午前9時15分ごろ、奄美市名瀬の名瀬港

 地震や大雨による複合災害を想定した鹿児島県総合防災訓練が25日、奄美市で始まった。自衛隊の艦艇と航空機による、県本土から離島への資機材や医療関係者ら要員の輸送に初めて取り組んだ。26日は住民避難や避難所運営、被災者救護などの手順を確認する。

 奄美大島近海を震源とする巨大地震で多くの負傷者が出ると同時に、大津波や大雨による災害への警戒が必要になるとの想定。

 海上自衛隊佐世保基地の多用途支援艦あまくさ(980トン)が25日午前、奄美市の名瀬港に入港。県や県警などの車両4台をクレーンで降ろした。

 同型艦は東日本大震災や道路の寸断で救援物資の輸送が滞った能登半島地震の災害派遣で水や食料を運んだ。あまくさの栄木博文艦長は「日頃から自治体との連携が必要。訓練すれば円滑に対応できる」と語った。

 海自厚木基地のC130輸送機は同日午後、県の災害派遣医療チーム(DMAT)のメンバーら約50人を乗せ、奄美市の奄美空港に到着した。

 26日は80機関の約千人が参加する。能登半島地震で活用された米宇宙企業スペースXが手がける衛星インターネットサービス「スターリンク」を使った通信訓練も行う。

医療関係者を奄美空港に運ぶ海上自衛隊のC130輸送機=25日午後1時55分ごろ、奄美市笠利

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