印画紙を沼に沈める“沼現像”で表現した圧巻の作品群! 大塚勉写真展「TRANS-BODY」

By CAPA編集部

大塚勉さんの写真展「TRANS-BODY」が、2024年5月31日より開催されます。

■展示作品ギャラリー (タップ/クリックで拡大します)

大塚さんの代表作である3つのシリーズ「根茎」「地の刻」「TRANS-BODY」は、「沼現像」と呼ばれる独自の手法で制作されています。本展では、それらを集成した新刊写真集『TRANS-BODY』から約40点を展示します。

印画紙を漂白したのち、沼に1週間沈める「沼現像」。沼という自然の暗室によって、印画紙が茶色や青色といった独特の色合いに染まり、沈澱した落ち葉の模様が残ったり、銀が浮いてきたりと、唯一無二の物質感があるプリントに仕上がります。

大塚さんは、体の一部や植物をクローズアップで撮影した複数枚のネガを合成し、「沼現像」を施しました。それは、命の姿を沼という地球の羊水に回帰させる試みであるとも言えます。

「沼現像」作品に加え、東日本大震災後の福島県相馬市を訪れ、津波で流された不特定多数のアルバム写真を複写して「銀現像」を施した作品も展示します。「銀現像」は、腐葉土と共にホットプレートで印画紙を煮沸し、写真を銀化させる手法です。時間の経過を1枚のプリントに凝縮し、人々の記憶と時間が重なり合う、モノとしての写真を表現しました。

写真に対する実験的精神が昇華した、大塚作品の極致となる写真展です。会期中には、写真評論家の飯沢耕太郎さんをゲストに迎えてのギャラリートークも開催されます。

大塚勉個展「TRANS-BODY」

会期 2024年5月31日 (金) 〜6月23日 (日)
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
住所 東京都目黒区下目黒5-3-12
時間 12:00〜19:00 (土曜・日曜は18:00まで)
休館日 月曜
入場料 無料
問い合わせ コミュニケーションギャラリーふげん社 (TEL 03-6264-3665)

ギャラリートーク 大塚勉×飯沢耕太郎

日時 2024年6月1日 (土) 14:00〜15:30
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
出演 大塚 勉、飯沢耕太郎 (写真評論家)
参加費 1,000円 (税込)
備考 オンライン配信あり (参加費は会場観覧と同額)
※アーカイブ視聴は2024年7月7日まで
申し込み WEBサイトより
https://fugensha.jp/events/240601talk/

大塚 勉 (Tsutomu Otsuka)

1951年、千葉県浦安市の漁師の息子として生まれる。1971年に東京写真大学 (現・東京工芸大学) を卒業。豊かな遠浅の海であった浦安の埋め立て工事が急速に進んだ頃、埋立地が大塚にとっての創作の場となり、1969〜1972年に8ミリカメラで何本かの実験映画を制作した。1971年からは埋立地の景色の撮影も始めている。

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