遺族の元に日章旗返還 太平洋戦争で戦死 山崎嘉吉さん(福島県田村市船引町出身)

返還された日章旗と(右から)敦子さん、市男さん、マツさん。遺影が嘉吉さん

 太平洋戦争で戦死した福島県田村市船引町出身の山崎嘉吉さん(享年26)が携えていた日章旗が遺族の元に返還された。22日、市遺族会長の鈴木正一さんから嘉吉さんのおいで同町の山崎市男さん(73)に手渡された。

 米国で遺留品の返還を行う団体「OBONソサエティ」を通じて米バージニア州に住む人から返還された。元米兵だった父が戦地から持ち帰り、大事に保管していたという。新聞で「OBONソサエティ」の活動を知り、日章旗を返還した。嘉吉さんや寄せ書きにあった関係者の名前などを元に、市男さんに届けられた。

 市男さんの父嘉子蔵(かねぞう)さんが嘉吉さんの弟に当たる。市男さんは「(嘉吉さんは)水兵として出征しサイパンで亡くなったと聞いていた。米国から届き驚いた」と話し「大切に保管していただきありがたい。悲惨な戦争を繰り返さないよう多くの人にも見てもらいたい」と妻敦子さん(70)と母マツさん(93)とともに感謝している。

(県南版)

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