いわて牛、EU輸出へ 紫波・いわちく、東北初の認定施設に

 岩手県紫波町のいわちく(藤村明智社長)は28日、欧州連合(EU)へ「いわて牛」を初出荷する。高い衛生基準をクリアし東北では初めて、厚生労働省からEU向け牛肉輸出施設として認定された。品質の高さから日本産牛肉は引き合いが強まっており、海外市場に販路を構築して県産牛の需要拡大につなげる。

 EU輸出には厳しい衛生基準を満たす必要があり、動物福祉への対応も求められる。動物医薬品の残留物質や微生物の検査項目が増え、生産者は出荷のたびに病歴などの申告が必要となる。食肉処理場内では、角や鼻輪をロープでけん引することが禁止され、生産者の協力が欠かせない。

 同社は2023年度から体制整備を進め、4月に厚労省から認定を受けた。全国では13施設が認定を受けており、日本を代表する神戸牛や宮崎牛などもEUに輸出されている。

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