肝付町で降り始めからの雨量300ミリ超す 陸海空の交通に乱れ、休校の高校も 鹿児島県内

雨水があふれ出した側溝=28日午前9時半ごろ、南大隅町根占山本

 前線を伴った低気圧が九州を通過し、鹿児島県内では27日夜から28日にかけて大雨が降った。肝付町では、降り始め(26日午後1時)からの雨量が300ミリを超えた。地盤の緩んでいる所があり、鹿児島地方気象台は土砂災害への注意を引き続き呼びかけている。

 降り始めからの雨量は肝付町前田302.5ミリ、同町内之浦301ミリ、錦江町298ミリで、5月1カ月分の平年値を上回った。24時間雨量は日置市(183ミリ)、南大隅町(159.5ミリ)、錦江町(149ミリ)で5月の最大値となった。西之表市では1時間に54.5ミリの非常に激しい雨が降った。

 県災害警戒本部によると、県内で被害の報告はなかった。垂水市と三島村は避難指示、鹿児島市など14市町が高齢者避難を発令し、39世帯52人が避難した。

 JR指宿枕崎線が始発から運転を見合わせるなど、列車の運休や遅延も相次ぎ、鹿児島空港発着の航空便や、種子屋久高速船など海の便も一部欠航した。錦江湾、霧島、国分中央の3高校が休校になった。

 29日は高気圧に覆われ、おおむね晴れる見込み。奄美は湿った空気の影響で曇る所もある。

〈関連〉東九州自動車道・野方-曽於弥五郎の通行止めを知らせる案内=28日午前10時50分、大崎町野方

© 株式会社南日本新聞社