父親の腹部に刃物を複数回…殺人未遂罪の55歳息子の刑猶予 鹿児島地裁

 自宅で同居する父親を刃物で刺し殺害しようとしたとして、殺人未遂の罪に問われた被告の男(55)=鹿児島市田上2丁目=の裁判員裁判判決公判が28日、鹿児島地裁であり、小泉満理子裁判長は懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。

 小泉裁判長は判決理由で、被告が刃物を自ら研ぎ日常的に使用していたとし「危険性を十分に分かっていた」と指摘。至近距離から腹部に刃物を複数回突き出したことは「人が死亡する危険のある行為なのは明らか」と殺意を認めた。一方、「被告は反省し更生の意思を示し、被害者が更生を強く願っている」として執行猶予を付けた。

 判決によると、被告は2023年7月7日午後10時55分ごろ、殺意を持って父=当時(77)=の腹部などを食卓用ナイフで複数回刺し、全治約1カ月のけがを負わせた。

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