痛恨のPK失敗でドイツ1部昇格ならず、号泣…パリ世代DF内野貴史が「ファンの皆さん」に約束

涙に暮れた敗戦から一夜、サムライがひとつの約束をした。

現地時間5月27日に開催されたブンデスリーガの入れ替えプレーオフ・第2レグで、田中碧、アペルカンプ真大、内野貴史が所属する2部3位のデュッセルドルフは、浅野拓磨を擁する1部16位のボーフムとホームで対戦。第1レグは3-0で完勝するも、今回は失点を重ね、まさかの2戦合計3-3でPK戦まで持ち込まれた末に敗れ、悲願の昇格を逃した。

PK戦で最後のキッカーとなってしまったのが、内野だ。今夏のパリ五輪でも活躍が期待される23歳のDFは、7番手として登場。しかし、渾身のキックはクロスバーの上へ。その瞬間に雌雄が決し、浅野らボーフムの選手たちが笑顔で走り出した一方で、背番号2はその場に崩れ落ち、大粒の汗を流した。

ただもちろん、周囲はみんな内野の味方だ。ダニエル・ティウネ監督が熱い抱擁を交わせば、クラブは「間違いなく言えること。誰一人として貴史を責める人はいません。これは絶対です」と声明を発表した。

【動画】内野貴史のキックは無情にも…勝負が決した最後のPK
ファンの間でも励ましの声が広がるなか、内野本人がクラブを通じてメッセージを発信。「ファンの皆さん」と切り出し、感謝と決意を示した。

「素晴らしいサポートを本当にありがとうございました。試合の後、ファンの皆さんの前に挨拶にいけなくてすみませんでした。多くのメッセージもありがとうございます。この経験を必ず次に繋げます」

大一番で味わった悔しさを最大限力に変え、内野は一回りも二回りも成長するはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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