教員の働き方見直しや情報発信の充実へ 県教委が長崎大生と意見交換

教職のイメージについて話す学生ら=長崎市文教町

 県教委は29日、長崎市の長崎大文教キャンパスで同大教育学部の学生らとの意見交換会を初めて開いた。教員志望者が多い同学部の学生らに教職への理解を深めてもらい、働き方の見直しや情報発信の充実につなげるのが目的。
 大学側からは同学部3年の学生10人と教授ら、県教委側は狩野博臣教育次長ら4人が参加した。
 教職のイメージについて学生からは「朝早く夜も遅い」「家に持って帰る仕事も多いと聞いて大変そう」など率直な意見が出た一方、「忙しさを超えるやりがいがある」「子どもに元気をもらえる」と期待する声も上がった。
 学級運営や保護者との関わり方など具体的な不安が聞かれたほか、学生らは、全国的に前倒しの動きがある教員採用試験について「大学生活の計画に関わる。(試験の)時期を早めに知りたい」と要望。将来設計のため「離島勤務の時期を自分で決められたら」と提案した。
 教員や学校の魅力を若い世代に届けるための情報発信策としては、交流サイト(SNS)を活用し「短時間で見られるもの」などの意見が出た。
 県教委の担当者は、指導した児童生徒が社会人になり活躍する姿を見た時の喜びなど、教員としてのやりがいを紹介。働きがい推進室の山下健哲室長は「大変そうだというイメージがありながらも、やりがいを求めて教職を考えていることが伝わった。情報発信の方法も、意見を参考に考えたい」と話した。
 小学校教諭を目指している濱里綸さん(20)は「率直な意見を受け止めてくれたし、知らないことも教えてもらった。今後の進路に生かせそう」と振り返った。

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