【シンガポール】持続可能なデータセンターの開発促進=政府[IT]

シンガポール情報通信メディア開発庁(IMDA)は30日、シンガポールで環境に配慮したデータセンターの開発を促進するロードマップ(行程表)「グリーンデータセンター・ロードマップ」を公表した。

国内のデータセンターに対し、まずは電力容量300メガワット分の新設を認める。グリーンエネルギーを活用する事業者向けにはさらなる容量の追加を認可する。エネルギー効率を加速するイノベーションや、グリーンエネルギー導入による容量の拡大を促す。

シンガポールには現在、データセンターが約70カ所あり電力容量は計1.4ギガワット超に上る。クラウドプラットフォームやデジタルサービスのほか、人工知能(AI)向けなどで幅広く利用されており、アジア有数のハブとなっている。ただデータセンターは大量の水や電力が必要となり環境負荷が高いことが世界的にも問題視されている。

新たなロードマップは、情報通信メディア開発庁が業界関係者らと策定。データセンターの持続可能性を二つの側面から強化する。

一つ目は、シンガポールの全データセンターのエネルギー効率を施設レベルで向上させ、サーバーの運用を最適化する。具体的には「データセンターの需要に合わせて冷却ソリューションを導入する」「安全面に配慮してデータセンターの運用時の温度を上げながら、冷却に使うエネルギー使用量を削減する」「サーバー仮想化などのソフトウエア技術を活用し、サーバーのエネルギー効率を高める」などが盛り込まれた。

二つ目は、データセンターのグリーンエネルギー利用の加速化だ。データセンターがバイオエネルギー、太陽光発電、水素やアンモニアなどの低炭素エネルギー源を活用できるようにする。

政府はこのほか「資源効率補助金」などの制度を通じ、データセンターがより最適化な機器を導入することを支援する。

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