鹿児島県知事選に立候補予定の樋之口氏がマニフェストを発表 重点政策に「議会経ず県民投票実施」条例制定

 7月7日投開票の鹿児島県知事選に立候補を予定する無所属新人で市民グループ共同代表の樋之口里花氏(52)は31日、マニフェスト(政策綱領)を発表した。一定数の署名が集まった場合に県議会の議決を経ずに県民投票を実施できる条例の制定を重点政策に挙げた。「命や生活と密接に関わる施策は、住民投票を通じて県民の意思をすくい取ることが必要だ」と述べた。

 九州電力川内原発1、2号機(薩摩川内市)の20年運転延長や西之表市馬毛島での自衛隊基地建設、さつま町と瀬戸内町への陸自弾薬庫整備・増設計画に改めて反対姿勢を示し、県民投票を実施するとした。

 川内原発については、少なくとも県民投票実施まで九州電力に運転停止を要請。凍結中の同原発3号機増設計画は、2010年に伊藤祐一郎知事(当時)が表明した同意を「白紙撤回する」と明記した。

 自身の経験から子育て支援や医療・福祉体制の充実も掲げた。所得に関わらず高校卒業までの子ども医療費窓口負担をゼロとし、給食費の無償化、学校のトイレに生理用品を配置して「生理の貧困」対策にも取り組む。医療・介護施設の人手不足解消に向け、県内で就職を希望する看護・介護系学生への給付型奨学金制度の創設も盛り込んだ。

 県が鹿児島市の鹿児島港本港区ドルフィンポート跡地に計画する新総合体育館については「費用と場所の面から見直す必要がある。体育館機能以外のコンベンションセンターといった別の目的のものは必要か疑問に思っている」と述べた。桜島の景観を損なわず、多額の資金をかけずに街と調和した体育館の建設を目指すとした。

樋之口里花氏

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