●市、まず6校で用意
被災した子どもたちに外で思い切り体を動かしてもらおうと、珠洲市は、仮設住宅が建設されて運動場が使えない小中学校に代わりのグラウンドを用意する。1日で発生から5カ月となった能登半島地震後、市内では、9校のグラウンドに仮設住宅が建設されたか、建設予定で、部活動などができない状況が続いている。市はこのうち、用地交渉が進んだ6校で先行して整備し、児童生徒が地震前と同じように運動できる環境を整える。
整備費を市6月補正予算案に計上する方向で調整する。学校復旧対策として文部科学省が新設した補助制度を全国で初めて活用する。市負担分の大半も国の交付税措置を受けられる見込みだという。農地転用の手続きも簡素化されるため、学校近くの耕作放棄地などを有効活用する。
珠洲市には7小学校と2義務教育学校(小中一貫)、2中学校がある。このうち、市営グラウンドが近くにある緑丘中、仮設住宅を建てても運動場の半分を残す飯田小を除く9校は、運動場全体に仮設住宅が建てられたか、建設地として利用される予定となっている。
市教委によると、こうした学校では、体育の授業は体育館で行っているが、陸上やサッカー、野球などの部活動のほか、運動会などの学校行事も実施できていない。他市町と受けられる教育に差がつかないよう、各校に別のグラウンドを作ることにした。
上戸、若山、直、蛸島、みさきの各小学校と三崎中から工事を始める。他の小中学校でも用地が確保できたところから整備を進める。