「恥ずべき惨敗だ!」日本によもやの完敗の中国女子バレーを母国メディアが辛辣批評! 3年ぶり復帰の大エースからは“ダメ出し4連発”【ネーションズリーグ】

アジアのライバルを直接叩き、パリ五輪に向けて力強い一歩を踏み出した。

現地5月31日、中国・マカオで行なわれた女子バレーボール・ネーションズリーグの1次ラウンド第7戦で、日本女子代表は中国と対戦。セットカウント3対1(25-22、19-25、25-18、25-17)の快勝を収め、1次ラウンドの通算成績を5勝2敗とした。

パリ五輪の出場権が懸かるリーグ戦(各12試合)で日本はここまで上々の成績を残している。女子バレーボールの五輪出場枠は「12」で、すでに7か国(開催国フランス、アメリカ、トルコ、ブラジル、セルビア、ポーランド、ドミニカ共和国)の出場が確定済み。日本は残る5枠(実質上は4枠)を巡る争いの渦中にあり、今大会1次ラウンドが終了する6月17日時点での世界ランキングが選定基準となる。

日本が出場権を得る条件はふたつ。①ランキングでアジア&オセアニア枠のトップで終えるか、②すでに出場権を獲得している7か国とまだ出場チームが確定していないアフリカ大陸のトップを除いた上位3チームに入る、のどちらかだ。

つまり日本にとって中国は出場権を争う直接のライバルであり、今回の勝利の価値はすこぶる高い。試合前は日本が世界ランキング8位で中国が6位。セットカウント3対1という結果を受けて、中国がマイナス8.96ポイントで6位にとどまったのに対して、日本はプラス8.96ポイントで7位に浮上した。両者の総合ポイントはもはや「7.78」しかなく、日本は1試合で逆転可能な位置へと中国を追い詰めたのだ。

手痛い完敗に中国メディア『捜狐体育』も元気がない。「中国は1セットを奪うのが精いっぱいで、他の3セットはほぼなす術がなかった。まさしく恥ずべき惨敗だ!」と断じ、「日本が強力なライバルであることに疑いはないが、いよいよポイント差は7.78に縮まった。穴だらけの守備が喫緊の修正課題だ」と注文をつけた。

さらに、この試合の第4セット頭から登場したのが、リオ五輪金メダルのメンバーで3年ぶりに代表復帰を果たしたレジェンド、朱婷(シュウ・ティン)だ。マカオの地元ファンから大声援を受け、一瞬にして会場を“絶対ホーム”に変えた29歳。198センチを誇るアタッカーは試合後のインタビューで日本の強さを認め、次のように持ち上げた。

「日本が私たちより良いパフォーマンスをみせたのは間違いない。マジカルと言っていいほどだった。身長は私たちより低いけども守備が堅固で、実に力強い。少し驚きですらあった」

一方で中国代表チームに水を向けられると、堰を切ったように批判的なコメントが溢れ出た。「守備がダメ、ブロックがダメ、サーブがダメ、アタックがダメ」とダメ出しを連発しつつ、「とくに守備面での綻びが顕著で、日本の攻撃にまるで対応できていなかったと思う。全体的に失望しかなかった」と断じた。

前日に地元メディアが報じたのは、朱婷とチームのギクシャクした関係だ。本人は蔡斌(サイ・ビン)監督の起用法や戦術に疑問を抱いているとされ、限定的な出場にも不満を漏らしているという。さらに東京五輪後に経験を積んできた主軸選手たちが、朱婷の復帰を快く感じていないといった報道もある。だが、チームも本人もその事実を否定。試合後のインタビューも時折り笑みを浮かべながらの淡々としたもので、周囲が過敏に反応しすぎているのかもしれない。
はたして残り5~6試合を経て、どのような結末を迎えるのか。最後に日本時間6月1日、午前4時時点での最新世界ランキングをチェックしよう。パリ五輪に向けた最後の4枠を争うバトルは、イタリア(世界ランキング5位)、中国(同6位)、日本(同7位)、カナダ(同9位)、そしてオランダ(同10位)に絞られただろうか。最終的に日本はこの5チームのなかでトップ4に入ればいいわけで、かなり好位置につけていると言える。

以下が暫定の最新世界ランキング・トップ12だ(★=パリ五輪出場決定国/カッコ内はネーションズリーグの消化試合数)。

【女子バレーボール・最新世界ランキング】
1位:トルコ★ 385.28ポイント(6)
2位:ブラジル★ 376.15ポイント(6)
3位:ポーランド★ 363.24ポイント(6)
4位:アメリカ★ 355.23ポイント(5)
5位:イタリア 352.89ポイント(6)
6位:中国 332.85ポイント(6)
7位:日本 325.07ポイント(7)
8位:セルビア★ 317.90ポイント(6)
9位:カナダ 292.97ポイント(6)
10位:オランダ 286.86ポイント(7)
11位:ドミニカ共和国★ 272.04ポイント(7)
12位:ドイツ 216.75ポイント(6)

構成●THE DIGEST編集部

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