解き放て、熱い思い! 長崎県高総体が開幕 総合開会式に2400人 7日まで  

総合開会式で力強く入場行進する選手たち=長崎市、ベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場

 「今こそ 解き放て情熱を 掴みとれ勝利を」をスローガンにした第76回長崎県高校総合体育大会(県高総体)は5月31日、長崎市のベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場で総合開会式が行われ、7日まで8日間にわたる高校スポーツの祭典が幕を開けた。
 開会式には出場88校のうち83校から約2400人が参加。朝から降り続いていた雨も式典開始までにやんだ。長崎地区13校約120人の合同吹奏楽隊の演奏が流れる中、長崎商、長崎女商のバトントワラーズの先導で各校が力強く行進した。今年も熱中症対策で行進後はメインスタンドで式典を見守った。
 最初に高校生が今夏、長崎など4県で開催される北部九州インターハイに向けた活動を紹介。その後、県高体連の野濱健理事長が開会を宣言した。長崎西女子バスケットボール部の小川佳凛主将が代表して優勝旗を返還した後、県高体連の山口勇会長が「スポーツの魅力に触れ、感動を共有し、無限の可能性を感じる機会になることを期待したい」とあいさつ。前川謙介県教育長が「選手、補助員、応援者が互いに敬意と感謝の心で結び合う友情を育んでほしい」、大石賢吾知事が「皆さんは長崎にとって宝物で未来そのもの。自信を持って全力で頑張ってほしい」と激励した。
 長崎北の山野里紗生徒会長が「今まで積み重ねてきた努力と技術を思う存分発揮してほしい」と歓迎の言葉。長崎工水球部の岡秀眞主将が堂々と選手宣誓した。
 競技は1日からスタート。第1日は県内各地で23競技を実施する。

◎集大成への思いを込めて 長崎工水球部・岡主将が宣誓
 「仲間と励まし合い、時にぶつかり合い、互いに高め合い、練習に取り組んできた。その成果を十分に発揮する」
 選手宣誓を務めた長崎工水球部の岡秀眞主将(3年)は、言葉の一つ一つに集大成の舞台への思いを込めた。
 3人兄弟の末っ子で、2人の兄を追って始めた水球。戸町小1年時に長崎水球クラブに入り、気づけば10年以上がたった。冬のプールは冷たく、練習に行くのが嫌な時期もあったが「部活をやめたいと思ったことは一度もない」

力強く選手宣誓する長崎工水球部の岡主将=ベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場

 六つ上の長男凌翔、四つ上で現大学日本代表の次男湧士と同様、長崎工で主将になった。今年の目標は全国のメダル。昨年はインターハイでチーム初の夏1勝を挙げて8強入りしたが、松本敏勝監督は「この代はもっと上に行ける」と言ってくれている。だから、まずはこの県高総体で負けるわけにはいかない。
 その舞台で任された選手宣誓の大役。最初は「自分が頼まれるとは思わなかった。責任があるな」と不安もあったが、すぐに「やるからにはしっかりと成し遂げたい」と気持ちを切り替えた。
 「全力で臨み、スポーツマンらしく正々堂々と試合する」。はつらつとした声は、チームの仲間たちだけではなく、県高総体に出場する生徒たちを勇気づけた。

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