「花の82年組」三田寛子 88年「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」出演に「夢のようです!」

三田寛子(88年)

【今週の秘蔵フォト】いわゆる「花の82年組」で中森明菜、小泉今日子、早見優、松本伊代、小泉今日子、堀ちえみらと同期で1982年に「駈けてきた処女」でデビューしたのが三田寛子だ。その後は超人気番組「笑っていいとも!」にレギュラー出演。全国区的な人気を獲得して歌やドラマで活躍した。

88年には松竹の看板映画「男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日」(12月公開)に抜てきされ、同年11月30日付本紙には公開前のインタビューが掲載されている。

「夢のようです! 足を引っ張るんじゃないかと不安でいっぱいでしたが、渥美(清)さんたちが温かく引っ張ってくれたので、怖いって気持ちはなくなりました。せっかくチャンスをいただいたんですから頑張ってついていかなくちゃ」と笑顔を見せた。

役どころは短歌好きの大学生で俵万智をヒントにした役。短歌ブームを巻き起こした時の人だった。

「俵さんには20代の女性として興味があって、まさか演じるなんて。改めて『サラダ記念日』を読み返したらすごい才能ですね。キラッとした瞬間をムダのない言葉で短歌に詠んでしまうなんて」と語りつつ「高校を卒業した時に切られてしまった感性でしょう。短歌を作らずに年をとっていくのはもったいない」と意欲を見せている。

さらには「その中で自分の味が出せるのは何なのか、未来を決めるのはまだ先なので、今はまだ可能性の中にいたい。まだまだいろいろ経験しなくっちゃ。とにかく今は寅さん。周囲がベテランの方ばかりなのでカルチャーショックを受けましたけど、私の中では一生のうちでベスト3に入る作品にしないと!」と若いながらもプロ根性を見せた。

結局、40作目となった同作は大ヒット。三田の演技も評価を高めた。その後は91年に歌舞伎役者の中村芝翫(三代目中村橋之助)と結婚。“梨園の妻”を務めながらタレント活動でも活躍を続けている。 (敬称略)

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