岩手県内大学生の首都圏流出が深刻化 県内就職内定率、4割切る

会社説明会のチラシが並ぶ学生センター棟。学生の県外志向が高まる中で、県内企業は一層の工夫が求められている=盛岡市上田・岩手大

 岩手県内大学生の首都圏への流出が深刻化している。岩手労働局によると、今春卒業した大学生の県内への就職内定率が4割を切り、過去10年で最低となった。新型コロナウイルス禍で県内志向が一時高まったが、収束傾向を受けて再び県外への動きが増加。全国的に人手不足と少子化が進む中で、首都圏の企業が地方での採用活動を強化しており、県内企業は人材確保に一層の工夫が求められそうだ。

 同労働局がまとめた就職内定状況(最終)によると、就職希望2011人(前年同期比1.3%増)に対し内定1923人(同2.9%増)で、全体の内定率は95.6%(同1.4ポイント増)。県内就職は751人(同2.1%減)で、県内の内定率は39.1%(同1.9ポイント減)だった。

 コロナ禍の2022年度は同内定率が44.9%だったが、今回は過去10年で最も低い数値で、調査を開始した09年度の33.5%に次ぐ低さとなった。

© 株式会社岩手日報社