「クラブが1選手の人質になるわけには...」鎌田大地の電撃退団にOBの元イタリア代表MFが困惑「もっと早くに動く必要があった」

鎌田大地はラツィオに「無礼」を働いたのか。真相を知ることは難しいだろう。確かなのは、クラブが「ポスト鎌田」に動かなければいけないということだ。

ラツィオはイゴール・トゥドール監督の下でチームの中心となった鎌田の残留を目ざし、契約延長オプションの行使を交渉。一時は来季の残留は確実とも報じられた。だが先月末、アンジェロ・ファビアーニSDがオプション行使も新契約締結もないと明かし、事実上の退団が決まっている。

クリスタル・パレス移籍が騒がれる鎌田について、ファビアーニSDは交渉の土壇場での条件提示が「無礼」だったと非難。鎌田陣営が出した条件を「脅し」「恐喝」と表現するなど、怒りを露にした。

ラツィオ専門サイト『La Lazio Siamo Noi』によると、クラブOBのジュリアーノ・ジャンニケッダは、『tag24』で「残念ながら、本当に何があったかを知るのは内部の彼らだけだ。外部からコメントするのは常に難しい」と話している。

「彼の契約には特殊な条項があって、1年でフリーになる可能性があった。彼は出ていくと決めた。クラブが1選手の人質になるわけにはいかない。優れた選手はたくさんいる」

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そのうえで、元イタリア代表MFはクラブに何が必要かを指摘した。

「この件に関しても、おそらくはもっと早くに理解して動く必要があった。大事なのは、どの方向に進み、どの選手を獲得するかを理解することだ」

ラツィオは鎌田退団でトゥドールの進退も騒がれた。だが、『Gazztta dello Sport』紙などによれば、指揮官は続投する考えとのこと。ただ、クラブに適切な補強を求めているという。そのひとつはもちろん、鎌田が抜けた穴を埋める選手の獲得だ。

マウリツィオ・サッリ前監督の辞任など、不本意なシーズンを送ってきたラツィオ。鎌田が去り、近年の柱のひとりだったルイス・アルベルトの退団も見込まれるなか、クラブがどのように進んでいくのか注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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