やぶ刈り払いでクマなどの被害防止 大槌町、緩衝帯を整備

これまでのクマの出没実績を基に、移動経路のやぶを刈り払う作業員

 クマやイノシシなどの被害を防ぐため、山と人里との緩衝帯を整備する取り組みが5月31日、スタートした。大槌町が地元の建設、林業事業者と連携し、教育施設周辺や住宅密集地域を優先的に、移動経路となるやぶの刈り払いを進める。高齢化や人口減少で地域だけでは管理できない土地が増加する中、関係者は「住民の暮らしを守り、産業活性化につなげたい」と期待する。

 同日は、大槌学園の通学路になっている花輪田地区で初の刈り払い作業を実施。建設作業員がササなどを手際よく刈り、クマの餌となる桑やクルミの木を重機を使って伐採し、2カ所で計約0.6ヘクタールを整備した。

 事業は、事前に自治会や地権者と合意形成し、クマの出没件数を基に優先度を決定。本年度は23カ所(12.3ヘクタール)を整備する。町によると、刈り払った草木は、ウッドチップや堆肥にするなど環境負荷がかからない方法を検討している。

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