わずか16年で閉校へ…小学校統合の方針が固まる 1993年に東武東上線の駅開業、周辺に人口流入し児童急増 2009年に小学校を1校増やすも…16年経った今、児童減少で1校減らすことに

児童数減で小学校閉校・統合へ

 埼玉県ふじみ野市教育員会は、市立東台小学校(大庭真紀子校長、児童数106人)について、「全学年が単学級で2025年度は児童数が100人を下回ることが見込まれる」などとして、25年度から通学区を隣接する市立東原小学校(鈴木達也校長、同584人)と再編し、同校に統合する方針を固めた。東台小学校は09年、当時、31学級を超える過大規模校だった東原小学校の児童数の削減を目的に新設されており、開校からわずか16年で児童数の減少を理由に閉校することになる。

 6月3日開会の6月議会で両校の統合準備委員会への補助金や東原小学校の校舎増築費など計約7億6千万円を盛り込んだ24年度一般会計補正予算案を提案する。同予算案が可決すれば、24年度中に東原小学校の校舎増築の設計を実施、25年度から2カ年で増築工事に着手する。

 市によると、1993年の東武東上線ふじみ野駅開業に伴って、同駅から約1.5キロ離れた東原小学校周辺に人口が流入。児童数が急増した同校は2008年に35学級となり、過大規模校となった。このため市は09年、学校区を再編し、約500メートル離れた隣接地に東台小学校を新設した。

 市は22年度から両校の「学校運営協議会」のメンバーらを中心に地域懇談会や保護者意見交換会などを開催。議論をした結果、東原小学校との統合を前提にして通学区を再編することで意見集約された。市教委は市立小中学校学区審議会の答申を受け、今年3月、東原小との統合を決定した。

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