iOS 18のAI機能、全て使えるのは「iPhone 15 Pro/Pro Max以降」だけの可能性

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アップルは6月10日(現地時間)~の年次開発者会議にてiOS 18を正式発表し、そこでは生成AI機能に重点を置く見通しだ。それらはiPhone内で処理が完結するオンデバイスと、処理を外部サーバーに頼るクラウドを組み合わせるものと予想されている。

このうちオンデバイスAI機能の多くは、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max以降が必須になると著名ジャーナリストが主張している。

アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、同社がiPhone向けの新AI機能がユーザーの買い換えを促すことに賭けているという。その足がかりとなるのが「iPhone 15 Pro以降でなければ動作しない」オンデバイスAI機能の数々とのことだ。

つまり、iOS 18の持つ全ての新機能を使うには、A17 Proチップを搭載した(現状では)最新のハイエンド機「Pro」モデルを買うしかないというわけだ。標準モデルiPhone 15とiPhone 15 Plusは、1年遅れのA16を搭載しているため、対象から外れることになる。

A17 Proを最低要件とすることは、ハイエンドモデルの魅力を高める製品マーケティングの結果でもあり、また技術的に求められた結果でもあるのだろう。本チップはCPUとGPUコアが前世代から高速化されるとともに、毎秒約35兆回の演算が可能な16コアのNeural Engine(機械学習を処理する部位)を搭載。チップに内蔵されたRAMも6GBから8GBに増やされた。

一般的にオンデバイスAI機能は、強力な機械学習エンジンと多くのRAM容量を必要とする。先日マイクロソフトが発表した「Copilot+ PC」も、40TOP以上のNPUを搭載/メインメモリ16GB以上を要件としている

iOS 18が一般公開される秋頃には、次期「iPhone 16」シリーズも登場していることだろう。Gurman氏は自らのニュースレター「Power On」最新号の購読者限定Q&Aとして「Phone 16 のすべてのバージョン (標準モデル、Plus、Pro、Pro Max) が新たなAI拡張機能をサポートすると聞いている」と述べており、今後発売されるフラッグシップiPhoneすべてがAI機能を使えるようだ。

かたやMacとiPadについては、Gurman氏はM1チップ以降になる可能性を示唆している。そうなれば2020年発売の初代MacBook Airや2021年発売のiPad Proも含まれ、iPhoneよりも要件が緩く対象モデルが広がりそうだ。

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