「素晴らしい読みだ!」復活の2位・渋野日向子が沈めた“7mバーディーパット”に米大興奮! 渾身ガッツポーズ→満面スマイルを披露【全米女子オープン】

満面の”シブコ・スマイル”が戻ってきた。

現地6月2日、米ペンシルベニア州ランカスターCCで行なわれた女子ゴルフのメジャー第2戦「全米女子オープン」は最終日を迎え、首位と2打差の4位でスタートした渋野日向子が2バーディー、4ボギーの「72」で回り、通算1アンダーの2位でフィニッシュ。優勝は22歳の笹生優花に譲ったが、日本人女子ゴルファーがワンツーフィニッシュの快挙を飾った。

2019年の全英女子オープン以来のメジャー2勝目は叶わなかったが、価値ある4日間を戦い抜いた。

渋野は優勝を射程圏内に捉えてスタートすると、序盤はパー発進。しかし、3番3パットでボギーを叩くと、5番でもボギー。嫌な流れだったが、7番パー5ではピンそば約1メートルにつけると、この日最初のバーディーを奪った。

そして上位陣もスコアを落とす難関の12番では、この日最大の見せ場を作る。グリーンに乗せた渋野は勝負のバーディーパット。下りのラインを完璧に読み切ると、ボールはカップに吸い込まれるように入り2つ目のバーディーを奪うと、両手で力強くガッツポーズ。地元ギャラリーも大歓声を上げて拍手で称えると、トレードマークの笑顔が弾き飛んだ。

この時点でトップと1打差に迫ったものの、その後はパー止まり。スコアを伸ばせず、4年ぶりのメジャー制覇には手が届かなかったが、それでも今季ベストの2位。ラウンド後は、2度目の大会優勝を果たした笹生と対面すると笑顔でハグ。「マジで強い!」と祝福の言葉をかけ、お互いの健闘を分かち合った。
今季は9戦中6戦で予選落ちを喫するほど絶不調に陥っていた元全英女王だったが、今大会は予選からショット、パットともに好調。まるで別人のような活躍を見せたことで、地元メディアも大きな関心を示した。全米女子オープン公式サイトはX(旧ツイッター)に渋野の12番パー3、7メートルのバーディーパットを沈めたシーンを共有。文面には「素晴らしい読みだ!」と賞賛し、「横回転のバーディーで首位と1打差に迫った」とリポートした。

前日には、14番パー4のバーディーパットでカップの縁に一時止まってしまう不運なパーかと思われたが、ボールがゆっくりとカップに落ちる「10秒の奇跡」と呼ばれるショットを披露するなど、4日間を通して鮮烈なパフォーマンスを残した渋野。苦闘していた元女王が、完全復活の狼煙を上げた。

構成●THE DIGEST編集部

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