富士通/AI活用、カスハラ対応ツールを開発

富士通は6月3日、東洋大学とカスタマーハラスメント疑似体験機能とナラティブフィードバック機能を備えたカスタマーハラスメント体験AIツールを開発したと発表した。

<カスタマーハラスメント体験AIツール>

カスタマーハラスメント疑似体験機能では、犯罪心理学の知見を活用。カスタマーハラスメントに共通する会話のパターンを学習し、それを再現するAIトレーナーと臨場感のある会話をすることで、さまざまな業種でのカスタマーハラスメントを疑似体験できる。

<ナラティブフィードバック機能詳細>

ナラティブフィードバック機能は、適切な応対スキルを身に付けるよう促す当事者の体験談や専門家からのメッセージといった「ナラティブ」な内容を語りかけるアバター映像をナラティブフィードバックAIによって自動生成する。

フィードバックされる文章や映像などを生成するための指示を、独自に開発したナラティブフィードバックAIで心理学的知見にもとづき個人ごとに最適化することで、個人の特性に合わせたナラティブの自動生成を可能にした。

個人の特性に沿ったナラティブとアバターを自動で生成し、従業員の納得感を高め、適切な応対スキルを身に付けるよう促すという。

同社は東洋大学とともに、今後コールセンター職員などを対象に、このAIツールの実証実験を行う予定だ。

東洋大学 社会学部 桐生正幸教授が実施した調査によると、販売・レジ業務・クレーム対応などのスタッフの約75%の人がカスタマーハラスメントの被害にあっていることがわかった。

このようにカスタマーハラスメントの被害を避けることは難しく、生産性の低下や心理的負担を軽減するための施策が求められている。その対策の一つとして、生成AIを活用した会話体験型のトレーニングがある

AIを活用し、会話をもとに導いたフィードバックにおいて、個人の特性ごとに内容をイメージしやすく理解しやすい、「ナラティブ」な働きかけをすることで、効果を発揮することが期待されている。

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