![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249245507584089/origin_1.jpg)
「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。ここでは毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【ルッコラ】です。
こちらもどうぞ↓↓
園芸初心者でも育てやすい【ルッコラ】
食卓に登場した当初は珍しかったルッコラも、今ではすっかりおなじみのクッキングハーブになりました。
寒さに強く、栽培は容易! 自分で栽培すれば惜しみなく利用でき、育てる楽しみも味わえます。
別名/キバナスズシロ(和名)、ロケット
科名/アブラナ科
性質/一年草
草丈/20~80㎝
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249244192310109/origin_1.jpg)
ごまの風味で一躍人気のハーブに
ルッコラは地中海沿岸地方が原産で、茎や葉にごまのような香りと軽い辛みがあるのが特徴。ロケットという呼び名もありますが、近年は主にサラダ用としてイタリア語のルッコラの名で日本中に出回っています。
「日本ではまだ珍しかった頃、イタリアやイギリスでルッコラの味を知り、ごまの風味に驚いたことを覚えています。ピザにトッピングされたり、ロンドンの和食店ではのり巻きのようにルッコラを巻いた料理に出合いました」と桐原春子さんは振り返ります。
フレッシュな葉と茎をサラダやサンドイッチに加える他、ペーストやソースにも利用しやすく、おひたしやみそ汁などに使うこともできます。
「近縁種にワイルドルッコラとも呼ばれる多年草のセルバチコがあります。香りと辛みがより強く、こちらもルッコラと同様に利用できます」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249248621167497/origin_1.jpg)
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249283356721757/origin_1.jpg)
虫がつかない秋まきがおすすめ
ルッコラは苗も購入できますが、春か秋にタネをまいて育てることもできます。桐原さんは秋にタネをまき、害虫の被害が少ない冬に新鮮な緑を愛でながら、収穫を楽しんでいます。
「ルッコラは寒さに強く、関東以西の暖地なら冬でも30センチほどに生長します。伸びてきた葉を摘み取って使いますが、若い葉は苦みが少なく、冬場の鍋物の具にもおすすめです」
栽培は日当たりのよい、少し湿り気のある場所が適地。タネは鉢やプランターに直まきできます。
「たくさん収穫したい場合、茎が伸びだしたら先をつまむ摘芯をするとわき芽が出て葉がよく茂ります。花をいくつかそのままにしておくと、さやがはじけてこぼれダネでも自然に増えます。園芸に不慣れな方でも栽培しやすいハーブだと思います」
花を食用にしてもOK
バスケットに入れたルッコラの苗を、日当たりのよい場所に置きました。柔らかい葉を、適時収穫しながら育てます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249295801565484/origin_1.jpg)
春には茎が長く伸び、淡いクリーム色の花を咲かせます。筋が入った4弁の花はすっきりと愛らしく、エディブルフラワーとしても使えます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249292621956015/origin_1.jpg)
活用アイデア① ルッコラ たっぷりサラダ
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249334784213411/origin_1.jpg)
肉、魚ともよく調和するオールマイティーなルッコラを、ふんだんに使ったサラダです。
大皿にルッコラ、サンチュ、モスカールドパセリ、ミニトマトを入れ、ルッコラの仲間でギザギザの葉を持つセルバチコもプラス。焼き豚、サラミ、チーズで巻いたルッコラも盛りつけて、たんぱく質の補給を。
最後にアンチョビフィレと削ったパルミジャーノチーズをのせ、オリーブ油をたっぷりとまわしかけ、好みでレモンを搾ります。
パンには、刻んだアンチョビとルッコラを混ぜたバターを塗って。目に鮮やかで、栄養バランスもとれたうれしいメニューです。
活用アイデア② ルッコラ風味の皿うどん
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1170249341900947581/origin_1.jpg)
β‐カロテン、ビタミンC・E、鉄、カルシウムなど、豊富な栄養素を含むルッコラ。胃の働きを助け、肌の老化を防ぐ効果もあるとされます。
洋風のイメージですが、ごまの風味で和食や中華ともよく合います。豚肉、パプリカ、えび、いかなどのシーフードミックスをオリーブ油で炒め、市販の皿うどんに添付されたとろみ調味料で味つけします。
麺を手で食べやすく割って皿に盛り、炒めた具をかけ、好みの量のルッコラとセルバチコを添えて。ルッコラは若葉でも風味があるため、少量でも味がぐんと引き立ちます。
好みの柑橘類と白ワインビネガーをかけていただきます。
撮影/川部米応
※この記事は「ゆうゆう」2022年10月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。
※2023年9月3日に配信した記事を再編集しています。
監修者
園芸研究家 桐原春子
英国ハーブソサエティー終身会員。長年、自宅でさまざまな植物を育て、家庭での実用的かつ美しい庭づくりを提唱。国内外の多くの庭を訪れ、ハーブの歴史、育て方、利用法を研究。カルチャースクールでハーブ教室の講師を務める。『知識ゼロからの食べる庭づくり』(幻冬舎)など著書多数。ブログ「桐原春子のハーブダイヤリー」やインスタグラムでも情報を発信中。