オンデーズ/メガネ店に特化したAI社員採用、接客・問診に

メガネ・サングラスの製造販売を手掛けるOWNDAYSは6月3日、AI社員3名を正式に迎え入れた。

昨年発足したAI推進課のリーダーシップのもと、店舗運営を支援することで業務の効率化と顧客満足度を向上させることを目的として、AI営業管理職「AI-AM(アイアム)/OWNDAYS BRAIN」、AI接客社員「アイ・ランドルト」、AI問診社員「タクミ・ランドルト」の開発が進められていた。

<AI接客社員アイ・ランドルト>

OWNDAYSでは、兼ねてから店舗オペレーションの改善のために、リモート視力測定サービスの導入やLINEを活用した顧客登録など、DX推進に力を入れてきた。今回、メガネ店運営を支援するためのAIを新たに導入する。「AI-AM/OWNDAYS BRAIN」は、国内全店舗のスタッフが利用でき、新店舗にも順次、導入する予定だ。「AI-AM」とは、AIとエリアマネージャー(AM)を掛け合わせた名称。

「アイ・ランドルト」と「タクミ・ランドルト」については、川崎ダイス店で運用を開始しており、関東を中心にインバウンド需要の高い店舗などから導入し、年内で50店舗体制を目指している。AI社員のデザインについても、画像生成AIを使用し、接客に適したビジュアルや説得力のある問診担当などを作成している。

<AI営業管理職AI-AM>

AI営業管理職「AI-AM/OWNDAYS BRAIN」は、販売から顧客データ、専門知識までOWNDAYSに関わる幅広い情報を持つAIチャットボット。スタッフが疑問に思ったことを入力するだけで迅速に回答が得られるため、上司への確認やマニュアルの閲覧にかかる時間を大幅に削減できる。

AI社員「AI-AM」は4月に開催した、年に一度行われる社員総会イベント「OWNDAYS SUMMIT」の管理職総選挙に登場し、離職率の低減や売上向上の施策を提案した。惜しくも当選には至らなかったが、今後は、AI-AMの知識基盤(ナレッジベース)を組み込んでいる「OWNDAYS BRAIN」がアプリケーションで営業スタッフや管理職の業務支援を担う。

<OWNDAYS BRAIN>

AI接客社員「アイ・ランドルト」は、店舗に設置したモニターを通じてお客と「アイ・ランドルト」が対話でき、レンズの納期や視力測定など、様々な質問に回答する。これにより、混雑時にスタッフが空くことを待たずに、お客自身で必要な情報を得ることができるため、人手不足を補える。また、英語や中国語での会話も可能となっており、インバウンドのお客にもスムーズな接客を提供する。

今後も機能拡充を予定しており、お客の輪郭を読み取ることで、よりパーソナライズされた商品の提案からバーチャル試着までができる機能や、過去の購入履歴や買い物傾向を考慮しキャンペーン情報を「アイ・ランドルト」が提供できるようになる。また、英語や中国語以外の外国語対応も検討し、より多くのインバウンドのお客に合わせた接客ができるよう、開発を進めている。

<AI問診社員タクミ・ランドルトのイメージ>

AI問診社員「タクミ・ランドルト」は、視力測定後にお客と対話し、お客一人ひとりに合わせた最適なメガネの作成度数を提案する。お客のメガネの使用目的や過去の着用傾向を分析し、OWNDAYSに蓄積した膨大なデータを参考に高精度な処方を実現する。経験の浅いスタッフでも一貫して高精度な処方ができるため、サービスの質を安定させることができるのが、最大の特徴となっている。AI問診についても、英語、中国語の対応が可能。視力測定や問診で得た情報は、スタッフが利用するCRMシステムまで連携しているため、業務の効率化も実現する。

アバターのデザインが変更できるため、今後はコラボレーション商品を発売する際に「人気キャラクターが視力測定を担当する」といった展開を検討している。AIを用いた視力測定に関するサービスは、現在ビジネス特許を申請している。

OWNDAYSは「人のあたたかみを感じられるDX」を目指している。幅広い世代のお客から支持を得るブランドとして、今後もお客のちょっとした不便を解消するDXを推進し、満足度の向上と働きやすい職場環境の整備に努めると同時に、スタッフが果たす役割を尊重し、お客との温かい対話やきめ細かなサービスを強化する方針だ。

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