【なでしこ】パリ五輪18人枠、W杯得点王の宮澤ひなた当落選上。NZ戦ラスト45分、池田監督が新機軸を見出して競争激化

浜野まいか、藤野あおばが“確実”に。チームの課題を解消させそうな千葉玲海菜も争いに食い込む。

[国際親善試合] 日本女子代表 4–1 ニュージーランド女子代表/2024年6月3日23:00(現地16:00)/ Estadio Nueva Condomina(スペイン/ムシアラ)

パリ・オリンピックのメンバー発表を前にした最後の対外試合、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)がニュージーランド女子代表とのスペインでの親善試合で2連勝を収めた。このあと池田太監督は五輪登録メンバー18人を選定する。第2戦のラスト45分、池田監督の思い切った選手起用が的中――選手選考もかなり難しくなったに違いない。

多くの主力組が出場した第2戦だが、前半は劣勢を強いられ0-1で折り返した。そして池田監督は前線を完全にシフトチェンジ。右にいた藤野あおばがセンターフォワードに回り、浜野まいかが右ウイング、千葉玲海菜が左ウイングに起用された後半、前線が見違えるほど機能した。

藤野がアップダウンを繰り返しながら背後を狙って、それまでパワーで起点を作らせずにいたニュージーランドのDF陣を翻弄していった。

2ゴール奪取の浜野、なかなか回答が出ずにいたCFで結果を残した藤野は、いずれもパリ五輪代表入りを”確定”させたと言っていいだろう。

さらに最後の4点目を決めた千葉は、結果を残しただけでなく、「パワーのあるチェイシングとサイドアタック、ゴール前での粘り強さや詰め」という、なでしこに不足していた様々な要素を見せた。ケガから復帰を遂げたストライカーが、ここで当落選上まで食い込んできた。

一方、昨年の女子ワールドカップ得点王の宮澤ひなただが、ケガからの復帰後、まだ本調子とは言えず、周囲との連動性も欠いた。またCFで先発した植木理子も、なでしこではあまりいいパフォーマンスを見せられずにいる。

宮澤は年明けには松葉杖をついていた状態だっただけに、その回復力は驚くほどだ。いずれも実績はあるだけに本番では十分期待できるが、状況的には当落選上にいる。

対戦相手や金メダル獲得までの道のり(スケジュール)をシミュレーションし、池田監督がどのような”ベスト”の18人を選ぶのか。本番での期待と現状のパフォーマンス、どちらを優先させるかでも構成は変わってきそうだ。帰国後、かなり頭を悩めるに違いない。

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メンバー発表のあと、なでしこジャパンは壮行試合として、7月13日、金沢ゴーゴーカレースタジアムでガーナ代表と対戦する。

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