「6月の身近な植物の注意点」お食事の際、紫陽花の花や葉が料理とともに飾られていたらどうする?

紫陽花のお花には「毒」が含まれていることをご存知ですか?飲食店での使用による食中毒の事例も報告されています。紫陽花の花の不思議についてと、毒から身を守るための注意点をプチっとまとめてご紹介します。

■この植物は「紫陽花(アジサイ)」です。こちらは「ガクアジサイ」です

アジサイ科アジサイ属の落葉低木の一種です。6月から7月にかけて開花します。

■実は、花に見える部分は花弁ではなく萼(ガク)です!

紫陽花の花のように見える部分は、ガクが変化した装飾花で、ガクアジサイはガクが額縁のように花を囲む形状をしています。

花の色も変わっていったりもしますし、花と思っていたものは、ガクが変化した装飾花だなんて、本当、不思議な植物ですねー!

■ガクアジサイの原産国は日本です

園芸では「額咲き」と呼ばれます。日本原産のガクアジサイは西洋で品種改良され、西洋アジサイとして逆輸入されました。現在では、西洋アジサイやガクアジサイの品種も多様で、色や形のバリエーションが豊富です。

■こちらは「手まり咲き」です

ガクアジサイから変化し、花序が球形ですべて装飾花となった紫陽花は「手まり咲き」といいます。私が昔、家で育てていたお花の中には、手まり咲きの紫陽花がありました。紫陽花を見ると、とても懐かしい気持ちになります。

紫陽花の葉は虫に食われないのですが、その頃は、不思議に思ったことがありませんでしたね。

どうして虫に食われないかというと…

■紫陽花には「毒」があるとされていますよ

紫陽花には有毒成分の青酸配糖体が含まれています。これが毒性を発揮するのは酸と混ざった時で、花や葉を触る程度ならそこまで神経質になる必要はないとされています。

しかし、紫陽花を口にすると30~40分後に嘔吐・めまい・顔面紅潮などの症状が現れるとされています。紫陽花の毒の成分や部位、品種や個体による毒の成分や量の違いは、まだはっきりとは分からないそうですが、悲報を呼ばない為にも、口にするのは絶対避けましょう。

■もしも飲食店や友人宅などで、お食事の際、紫陽花の花や葉が料理と共に飾られていたら?

答えは、もうお分かりですよね!

飲食店で紫陽花の葉を料理の飾りとして使い、食中毒が報告された例があります。また、知識のない人が装飾に使用することもあるでしょう。料理に紫陽花の花や葉が飾られていた場合は、絶対に口にしないようにしてください。

紫陽花は青や紫、ピンクなど美しい色で子どもの目を引きます。水に浮かべた紫陽花も美しいですが、お子さまやペットがその水を飲まないよう注意してください。

あと、紫陽花にはカタツムリがいることがあり、葉や花、カタツムリに触れた場合は、手をしっかり洗いましょう。カタツムリは「広東住血線虫」という寄生虫を持つことがあります。

この情報が誰かの助けになることを願っています。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

暮らしニスタ/ハッピー(小寺 洋子)さん

© 株式会社主婦の友社