「アスパラガス」を下ゆでしていない!?ビタミン損失を防ぐコツとは

火を通すことでやわらかくなったり、苦味が減って食べやすくなる食材は多いもの。ところが加熱することで栄養が壊れたり流出してしまうこともあるため、栄養からみれば加熱はもろ刃の剣。食材ごとの加熱の注意点を知っておきたいですね。栄養豊富なアスパラガスについてご紹介します。

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油で炒めればビタミンA-Kを効率よく摂取できる

アスパラガスには血流を改善したり、疲労を回復してくれるアスパラギン酸やルチン、赤血球を増やし貧血を予防してくれる鉄や葉酸、コバルト、ほかにビタミンA・C・E・Kなどを豊富に含む健康効果の高い野菜です。

下ゆでしてから使われがちですが、ゆでればビタミンを損失してしまいます。余熱で火が入ることを考慮してゆで時間は短めに。切らずにゆでる場合は、沸騰したお湯に根元を入れひと呼吸おいてから穂先まで入れれば、穂先のゆですぎを防ぐことができます。

ビタミン損失を防ぐには焼く、揚げるなどの調理法を選ぶのも手。ビタミンA・Kは脂溶性なので、油で炒めれば吸収率が上がるというメリットもあります。

【DATA】
旬:初夏
保存期間:2〜3日(冷蔵庫)
主な栄養素:太1本(正味24g) ビタミン(レチノール当量)7μg、ビタミンB₁0.03mg、ビタミンB₂ 0.04mg(生)

【注目成分】
・アスパラギン酸
毛細血管を拡張し、血液をスムーズにする働きが、血圧の安定や疲労回復に効果がある。

・ルチン
血管を強くしなやかにし、血管を広げてくれるので、動脈硬化の予防が期待できる。

【選び方】
穂先がかたく締まっているもの。茎が太くまっすぐに伸び、色が濃く、ツヤがあるもの。

【保存法】
根元をぬれたキッチンペーパーで巻いてラップで包み、穂先を立てて冷蔵庫の野菜室で保存。

POINT
・血管を丈夫にしてくれるルチンは穂先にたっぷりと含まれています。

・アスパラガスのにおい成分、含硫化合物には、血液をサラサラにする作用があります。

はかまを落とせば口あたりがよくなる

アスパラガスの根元はかたく筋ばっているので、下ごしらえの段階で2cmほど切り落とします。かたさが気になる場合は、さらに根元から3分の1ほど皮をピーラーでむきます。三角形のはかまは苦みが強く口あたりも悪いので、包丁やピーラーでそぎ落とすといいでしょう。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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