鹿沼市長選候補者アンケート 小林氏「増税ない財源確保図る」 松井氏「若者の地元定着を促す」

 【鹿沼】任期満了に伴う市長選は9日の投開票まで4日となった。下野新聞社は4日までに、立候補しているいずれも無所属新人で、元県議の歯科医師小林幹夫(こばやしみきお)氏(70)=自民、公明推薦=と前県議の団体職員松井正一(まついしょういち)氏(58)に6項目のアンケートを実施した。市の最重要課題や人口減少対策などについて考えを聞いた。

 市の最重要課題について両氏ともに子育て支援を挙げた。小林氏は景気、医療・介護体制の充実も課題に挙げ「経験を生かし実現することが使命」と強調する。松井氏は産業人材の確保・育成も重視し鹿沼版「経済財政諮問会議」の創設を図るとする。

 市の人口は2006年1月1日の旧粟野町との合併時には10万4056人だったが、今年5月1日現在で9万942人(推計)と減少を続ける。松井氏は就職応援金の充実、定住者への奨学金減免制度拡充、産業団地整備などで若者の地元への定着を促すと回答。小林氏は議員経験で培った県・国との協力関係を生かし財源獲得と創出に努め「若者に選ばれる都市」をつくると訴える。

 佐藤信(さとうしん)市長は16年間、健全財政堅持に努めた。小林氏は「安定と成長の両立こそ真の健全財政」として増税のない財源確保を図り「投資と成長」を実現する、松井氏は健全財政を維持し、税収見通しの市民への情報公開や合意形成を徹底するとした。

 子育て支援では、松井氏は既存の出産・子育て応援給付金の倍増や産後ケアの拡充、小林氏は給食費無償化、保育料減免、大型公園整備などを主張する。

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