卵で被災地にエール 大田原の稲見商店 能登へ毎週1000個送る

稲見商店が被災地支援のため送っている卵=大田原市

 鶏卵販売の稲見商店(大田原市山の手1丁目、稲見信雄(いなみのぶお)社長)が、能登半島地震の被災地に卵を送る活動を続けている。避難所に食事を届ける現地の料理人に、3月下旬から毎週約1千個を提供。被災者向けの夕食に活用されている。

 同社は自社ブランド卵の「那須御養卵」を納めるパティシエが交流サイト(SNS)上で被災地支援を呼びかけたことを契機に、募金活動などを始めた。3月には直売所に設置した募金箱などに集まった50万円を被災地へ送った。

 その後、輪島市内でフランス料理店を営む池端隼也(いけはたとしや)さんが行う避難所支援活動への協力を申し出た。池端さんは知人の料理人とともに1月から食事を提供し、現在は同市内の避難所約15カ所に夕食約1200食を届けている。

 同社の卵は被災者向けの食材の一つとして活用されており、池端さんは「とてもおいしく、みんなに喜ばれている」と感謝する。

 避難所での取り組みは少なくとも6月まで続く見通し。稲見正之(いなみまさゆき)常務は「被災した方のため、必要とされる限り活動を継続したい」と話した。

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