意識高まり、新築戸数増 県が認証「省エネ健康住宅」、23年度は240戸に

県が住まいのガイドブックで紹介している「やまがた省エネ健康住宅」の概要

 県が住宅の高気密・高断熱に関する独自基準に基づき、性能を認証する「やまがた省エネ健康住宅」の新築戸数が増えている。事業開始から6年目の2023年度は前年度の約2.5倍の240戸。電気代高騰などに伴う省エネ意識の高まりに加え、設計・施工業者の技術向上、県による補助に認証が必須となったことが後押ししたとみられる。

 やまがた省エネ健康住宅は、県が学識経験者や業界団体の提言に基づき基準を定め、全国に先駆けて18年度にスタートした。県は新築に対する補助(ローンの利子補給)や、業者の技術講習会、動画による制度紹介などを実施。18年度に13だった年間の新築戸数は22年度に94まで増えた。

 県は23年度、技術的に設計・施工が可能な業者が増え、需要増に対応できるとして、より実効的な支援策に変更。ローンの額に関係ない70万円の一括補助方式とし、補助を受けるには認証住宅であることが必須とした。施主が相談しやすいようにと、実績のある業者の登録制度を設け、県の住宅情報総合サイト「タテッカーナ」で一覧の公表を開始。23年度は240戸が建ち、うち153件が補助金を活用した。

 24年度も1戸当たり70万円の補助金(200戸分)予算化し、先月下旬に募集戸数に達した。新築に太陽光発電や蓄電池設備の設置を組み合わせる別の補助金(最大約200万円)は引き続き募集している。県住生活基本計画(2021~30年度)では、新築戸数の年間目標を360戸と設定。県は引き続き周知に努めるとしている。

 やまがた省エネ健康住宅 国の省エネ基準を上回る断熱性能と、県が独自に基準を定めた高い気密性能を持つ。気密性などを高める資材を使い、丁寧な施工で建てる。建築費は従来の住宅より高くなるが、電気やガスなどの光熱費が抑えられる。県は省エネ効果のほか、季節に関係なく快適な温度下で生活でき、健康維持につながるとPRする。

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