命守り抜く学校防災、在り方に理解 盛岡で教育研修会

児童生徒の命を守り抜く学校防災の在り方に理解を深める小中高校の管理職ら

 岩手県と県教委は4日、盛岡市志家町のサンセール盛岡で本年度の防災教育研修会を開いた。全国的に災害が相次ぎ、本県でも日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震が想定される一方、震災の記憶や経験がない世代の児童生徒・教員が増加しており、命を守り抜く学校防災の在り方に理解を深めた。

 県内小中高校の管理職や市町村教委、教育事務所の担当者ら約180人が参加。県教委の多田拓章産業・復興教育課長は「能登半島地震で改めて認識したように、本県も日常を襲う災害リスクは隣り合わせにある。震災の記憶と教訓を風化させることなく、防災と学校安全を充実させたい」とあいさつした。

 岩手大地域防災研究センターの福留邦洋教授は▽知識は必要条件だが十分条件でない▽経験が誤った対応に結びつくことがある▽災害は地域性、季節、時間、気象条件で変わる-とし、「適切な科学的知見に基づき、イメージできる力を養う必要がある」と訴えた。

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