「認証不正」トヨタ自動車・マツダ・ヤマハ発動機・ホンダ・スズキ 出荷停止車両は?【対象車種・型式一覧】

自動車の大量生産に必要な「型式指定」の取得をめぐり、トヨタ自動車やホンダなどの5社が認証不正を行っていたと発表しました。

トヨタ自動車によりますと不正があったのは現在も生産中の「カローラ フィールダー」など3車種と、生産を終了した4車種のあわせて7車種です。

生産中の3車種については、歩行者や乗員の保護試験で虚偽のデータを提出していたほか、生産が終了した4車種では衝突試験の際に車両に不正な加工を施していました。

「マツダ」は生産中の2車種でエンジンの出力試験における制御ソフトを書き換えるなど、あわせて5車種で不正を行っていました。

さらに「ヤマハ発動機」や「ホンダ」、「スズキ」も不正を行っていました。

対象車はあわせて500万台以上に上ります。

各社は、国よりも厳しい基準で独自に試験をしているため、安全性に問題はないと説明しています。

■トヨタ自動車
トヨタ自動車は、ホームページで次のように発表しました。

本年1月26日の国土交通省からのご指示に基づき、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は型式指定申請に関する調査を進めてまいりました。まだ調査の途中ではありますが、2014年以降、すでに生産を終了しているものも含め、7車種において国が定めた基準と異なる方法で試験を実施していたことが判明し、5月31日にその旨を国土交通省に報告いたしました。

対象は生産中の3車種(カローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロス)における歩行者・乗員保護試験でのデータ不備と、生産終了した4車種(クラウン、アイシス、シエンタ、RX)における衝突試験等の試験方法の誤りになります。

対象となる車両は、すでに生産を終了しているものも含め、社内での徹底的な検証において法規に定められている性能に問題無いことを確認しております。従いまして対象車両にお乗りのお客様はただちに使用をお控えいただく必要はありません。今回の調査結果を踏まえ、現在、日本国内で生産中の3車種(カローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロス)については本日より一旦、出荷・販売を停止することを決定いたしました。国土交通省の指導のもと、速やかに立会試験などの適切な対応を進めてまいります。

■トヨタ自動車の対象車両

(1)【クラウン】対象の型式は生産終了
ARS210、AWS210、AWS211GRS210、GRS211、GRS214AWS215、GWS214

【クラウン(ロイヤル・アスリート)】対象の型式は生産終了
ARS210、AWS210、AWS211、GRS210、GRS211、GRS214

(2)【アイシス】対象の型式は生産終了
ZGM10G、ZGM10W、ZGM11G、ZGM11W、ZGM15G、ZGM15W

(3)【カローラ アクシオ】生産中
(4)【カローラ フィールダー 】生産中
(アクシオ)NKE165、NRE160、NRE161、NZE161、NZE164
(フィールダー)NKE165G、NRE161G、NZE161G、NZE164G、ZRE162G

(5)【シエンタ】対象の型式は生産終了
NCP175G、NHP170G、NSP170G、NSP172G

(6)【ヤリス クロス】生産中
MXPB10、MXPB15、MXPJ10、MXPJ15

(7)【レクサス】対象の型式は生産終了
RX GYL20W、GYL25W、GYL26W

■マツダ
マツダで対象となっているのは過去生産車3車種を含む5車種で、過去生産車については、衝突試験における試験車両の不正加工。現行生産車2車種については、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換えがあったとしています。

■マツダの対象車両

アテンザ(商品改良モデル)対象の型式は生産終了
アクセラ(商品改良モデル)対象の型式は生産終了
アテンザ/MAZDA6(商品改良モデル)対象の型式は生産終了

ロードスターRF(商品改良モデル)生産中
MAZDA2(1.5Lガソリンエンジン搭載 商品改良モデル)生産中

■ヤマハ発動機
ヤマハ発動機は、「騒音試験」において、規定とは異なる条件で試験が。また「警音器の音圧試験」において、試験を実施した車両以外の車台番号を記載して申請を行ったという不適切な事案が確認されたとしていて、このうち、生産中の1車種「YZF―R1」の出荷を停止したということです。

■ヤマハ発動機の対象車両
【YZF―R1】8BL―RN65J(販売中)

【YZF―R3】(対象の型式は生産終了)
【TMAX】(対象の型式は生産終了)

■ホンダ
ホンダは、過去に販売した四輪車について、型式指定申請に必要な騒音試験および原動機車載出力試験などで、試験条件の逸脱や、試験成績書に実測値と異なるデータを記載するなどの不適切な事案があったことを確認したとしています。
ただ、社内で技術検証や実車試験などを行い、規定された法規基準を満たしていることが確認できているため、法規に関わる完成車性能への影響はないとしています。
また、現行販売および今後販売を予定している四輪車の認証試験における不適切な事案は確認されていないとしています。

■ホンダの対象車両(対象の型式はいずれも生産終了)
「INSPIRE」
「FIT」
「CR―Z」
「ACTY」
「VAMOS/VAMOS Hobio」
「STEP WGN/STEP WGN SPADA」
「LEGEND」
「ACCORD/ACCORD TOURER/ACCORD HYBRID」
「FIT SHUTTLE」
「INSIGHT EXCLUSIVE」
「CR―V」
「FREED/FREED+/FREED SPIKE」
「N―BOX/N―BOX CUSTOM」
「N―ONE」
「ODYSSEY」
「N―WGN/N―WGN CUSTOM」
「VEZEL」
「GRACE」
「S660」
「SHUTTLE」
「NSX」
「JADE」

■スズキ
スズキは「アルト」1車種の過去に生産していたモデルで、フェード試験の停止距離を、実際の試験で測定した停止距離より短く記載していた事案があったと発表しました。

■スズキの対象車両

【アルト】スズキ HBD―HA36V 17956(生産終了)

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