南砺のスケートパーク廃止 桜ケ池公園、他施設へ移設断念 老朽化、修繕費用大きく

スケートボード設備の移設を断念し、廃止が決まったスケートパーク=南砺市立野原東

 南砺市の桜ケ池公園にある市のスケートボード練習施設「スケートパーク」が廃止となることが4日、関係者への取材で分かった。市は桜ケ池周辺で新たな自然体験施設を整備するのに伴い、パークのスケボー設備を他の運動公園に移設して存続を検討していたが、修繕、維持費がかさむことが判明して断念した。市によると、富山県西部で最大規模の練習場で、スケボー人気が高まっていた時だけに、利用者からは惜しむ声が聞かれる。

 スケートパークは旧城端町が桜ケ池公園の駐車場の一部を活用して1998年4月にオープンした。敷地面積は約1770平方メートルと開業当時は北陸最大級を誇り、日本スケートボード協会の主催する全国大会も開催された。97年~2003年度に掛けて高さ約3メートルの10フィートランプ(U字形の滑り台)やジャンプランプなど20の専門器具が順次設置された。

 近年大きな大会は開催されていなかったものの、無料開放されているため、スケートボード愛好者の練習施設として利用されていた。県内12カ所のスケートパークを紹介したサイトでは「環境が整う人気パブリックパーク」と紹介され、親しまれていた。

 スポーツ用品大手ゴールドウイン(東京)と市が桜ケ池周辺で27年夏をめどに自然体験施設「プレイアースパーク」を整備するに当たり、公園広場にあるスケートパークの器具は撤去が必要となった。

 市は城端地域の運動公園「城南パーク」への専門器具の移設を検討していた。しかし、老朽化もあって修繕費用や移設費用が大きく、屋外施設のため移設後の維持費用も掛かることが分かり、完全廃止を決めた。桜ケ池公園はプレイアースパーク整備のため3日から3年間の休園に入った。

 富山市や新潟県村上市など全国13自治体が加盟する全国スケートボード施設連絡協議会事務局の村上市スポーツ推進室は「屋外施設だと、設備の傷みが早く負担は大きい」としている。

 パークを利用していたという射水市の会社員酒井勇治さん(22)は「これだけの規模の設備は県内では少ない」と残念がった。南砺市建設維持課は「老朽化した器具と費用面から検討した結果、廃止を決めた」としている。

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