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全盲のシンガーソングライター木下航志(きした・こうし)さん(35)が4日、唐津市の相知小と有田町の大山小でコンサートを開いた。木下さんが鹿児島県の盲学校に通っていた小学生の頃、「恩人」という佐賀県の教諭との縁で、県内の小学生と交流していた時期もある。ピアノの演奏と歌声が体育館に響いた。
木下さんは未熟児網膜症のため、生後1カ月で失明。2歳でおもちゃのピアノを弾き始めた。ジャズピアノを演奏する8歳の木下さんをテレビで見て魅了された宮崎利夫教諭(65)=有田町の大山小勤務=が、夏休みなどを利用して支え、ストリートライブを始めたり、米国でのライブを実現させたりした。
2001年には宮崎教諭が当時勤務していた切木小(現唐津市)で1週間の短期留学をしている。「先生の家から通い、私は点字で、健常の子と一緒の授業を受けた」という。
05年にプロデビューし、今年5月には10年ぶり6枚目のアルバムを発売している。昨年、難病の「副腎白質ジストロフィー」と診断され、骨髄移植前にレコーディングしたもので、ライブ活動も5月に再開したばかりだった。
相知小では、オリジナル曲やジャズの名曲などを披露した。「(一緒に歌った)子どもたちに圧倒されて、自分も元気をもらいました」と木下さん。宮崎教諭は「子どもたちからもらったパワーをエネルギーに変えて、また多くの人に感動を与えるようになってくれたら」と話した。(宮﨑勝)
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