空調設備会社ヨコレイ AED 休業日も使用可に 新井町 誰でも自由に24時間 横浜市保土ケ谷区

AEDの屋外設置に携わった笠野さん

空気調和設備などを行う「株式会社ヨコレイ」(有井清社長)=新井町657番地=がこのほど、所有するAED(自動体外式除細動器)を屋内から屋外に移した。社外の人も自由に使えるもので、有井社長は「使われないことが理想だが、緊急時に皆さまの大切な命をお守りできる機会が増えれば」と話す。

同社は働き方改革の一環で、昨年から土曜・日曜・祝日休みを固定化。これにより、休業日は屋内にあるAEDを使用できなくなった。そこで動いたのが社内チーム「社会貢献委員会」。防水性能などを備えた収納ボックスにAEDを入れることで、屋外で使用できるようになった。

同会の委員長を務めている笠野泰介さんは昨年12月、急に息苦しい症状に見舞われ、自宅にあった血液の酸素供給が正常に行われているかを調べる機器で血中酸素濃度を測定。異常値のため、妻が呼んだ救急車で病院に搬送された。劇症型心筋炎の診断を受け、一時は心肺停止状態になり、意識を取り戻したのは数日経ってから。搬送された病院に重症患者の肺や心臓の代わりをする医療機器があったことが一命を取り留める大きな要因になったという。

笠野さんは自身の体験を踏まえ、「急な病気やけがで命の危険にさらされることもある。遠慮なくお使いいただければ」と呼び掛ける。

同社は地域清掃のほか、地元の中学生に空調機の分解から組み立て方などを教える活動に取り組むなど、継続的かつ多面的な社会貢献活動を進めている。

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