【動画あり】荒汐部屋の福島合宿、朝稽古開始 土俵の迫力に熱視線 ファン500人来場

大勢の来場者が見詰める中、稽古に励む若元春(左から2人目)、若隆景(右)

 福島市出身の力士「大波3兄弟」らが所属する大相撲荒汐部屋の夏合宿の朝稽古は5日、福島市相撲場で始まった。次男の若元春(30)=本名・大波港=、三男の若隆景(29)=本名・大波渥=らが土俵で力の入った稽古を繰り広げ、訪れた相撲ファンら約500人(主催者発表)が熱心に見入った。福島合宿は2年連続の開催。

 夏場所で十両優勝を果たし、名古屋場所での幕内復帰を確実とした若隆景は若手を相手に厳しい立ち会いや豪快な投げを見せ、観衆を魅了した。昨夏の合宿ではけがからのリハビリ中で激しい稽古は控えていた。「今年は良い稽古を地元のファンに見せられて良かった」とうなずいた。

 若元春は先場所のけがの影響もあり、四股やすり足で入念に調整。「けがを早く治し、名古屋場所で元気な姿を見せたい」と語った。郡山市の会社員高橋道雄さん(58)は「若隆景関の気迫ある取組を生で見られてうれしい」と喜んだ。

 昨年は8月中旬の猛暑下だったが、荒汐部屋の提案で涼しい6月上旬に変更。日数は8日間から15日間に延び、観覧者向けテントは4張り、いすは約200席に増えた。

 朝稽古は7日、9日、11~13日、15、16日に一般公開される。時間は午前7時30分~同9時30分。

 9日午後6時からは力士と触れ合えるウエルカムパーティーが市内のウェディングエルティで開かれる。会費は1万円。当日券も販売する。問い合わせはちゃんこ若葉山へ。

■温泉地訪ね市民と交流 合宿中、福島の魅力発信へ

 力士は合宿中に市内の土湯温泉、高湯温泉、飯坂温泉を訪れる。サクランボ狩りを楽しみ、福島の魅力の発信に一役買う。荒汐親方(元幕内蒼国来)は「交流は稽古の合間のリフレッシュになる。福島は大事な『地元』なので、できることは協力したい」と話している。

 合宿をサポートする市には県外からも問い合わせが寄せられている。会場周辺の臨時駐車場には初日から山形、庄内など県外ナンバーの車もあった。飯坂温泉の女将(おかみ)でつくる「いいざか乙和会」会長で穴原温泉・吉川屋女将の畠ひで子さん(75)は「温泉と特産品で疲れを癒やしてほしい。夏合宿が定着して来訪者にも温泉街を訪ねてもらえるとうれしい」と期待した。

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