知ってる?「長ねぎ」の抗酸化力が2.5倍にアップする調理法

火を通すことでやわらかくなったり、苦味が減って食べやすくなる食材は多いもの。ところが加熱することで栄養が壊れたり流出してしまうこともあるため、栄養からみれば加熱はもろ刃の剣。食材ごとの加熱の注意点を知っておきたいですね。長ねぎの体に効く調理法をご紹介します。

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香りの成分がかぜの予防や症状緩和に効く

独特の香りや辛みを生かし、薬味に使われることの多いねぎ。ねぎの効能は、まさにあの香りにあります。主な香り成分は硫化アリル。血行をよくして体を温めたり、発汗を促して体温を調整したり。関節痛をやわらげる効果も高く、「かぜにはねぎがいい」といわれるのも納得です。

硫化アリルは加熱に弱いのが難点ですが、油と一緒に調理すれば分解を防ぐことができます。また、ねぎは焼くことで糖度が約1.2倍に、免疫力の強化につながる抗酸化力も約2.5倍にアップします。ねぎの緑の部分には、β-カロテンも豊富。油といっしょにとることで吸収しやすくなるので、焼きねぎにするときは1本まるごと油で焼くのがお得です。

【DATA】
旬:冬
保存期間:3〜4日(冷蔵庫)
主な栄養素:1本(正味72g)カルシウム26mg、ビタミンC 10mg、食物繊維1.8g(生、根深ねぎ)

【注目成分】
・硫化アリル
ねぎの香りの部分。血液をサラサラにしたり、体を温めたり、痛みをやわらげたりする働きがある。

・フルクタン
免疫機能をアップして、インフルエンザのウイルスの侵入を防いでくれる効果が高い。

【選び方】
葉の緑色が濃く、白い部分との境目がはっきりしているもの。ハリがあり、みずみずしいもの。

【保存法】
新聞紙に包んで冷暗所へ。泥つきのものは日の当たらない土の中に斜めに埋めておくとよい。

POINT
・インフルエンザ予防にお役立ちのフルクタンは、緑の部分のネバッところに豊富。ねぎの緑の部分にはβ-カロテンやカルシウムも含まれているので、捨てずに使いましょう。

・ねぎの香りには鎮静効果も。イライラした気分をしずめてくれます。

みそ汁には焼きねぎをIN

ねぎは生より焼いたほうが抗酸化力も甘みも高まります。
みそ汁やスープに入れる際も、焼きねぎを刻んで使うと栄養価がグンとアップ。
甘みも増しておいしくなります。

かぜのひき始めにおすすめ「ねぎ湯」

ねぎの白い部分をみじん切りにしたもの、刻みしょうが、みそ小さじ1を器に入れ、お湯を注いだのが「ねぎ湯」。
ねぎとしょうがの体温め効果で、ポカポカと温まります。
かぜのひき始めに飲みたい1杯です。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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