横山町在住中里さん ムエタイ国際大会で優勝 初めての海外戦で奮闘  八王子市

今大会のメダルをかける中里さん(左)と指導者の青木さん

横山町在住の中里晃聖(こうせい)さん(13)が5月30日、八王子市役所を訪れ初宿和夫市長を表敬した。中里さんは3月にタイで行われた格闘技国際大会のムエタイ部門で優勝。決勝戦は1ラウンドでKO勝ちを収めるなど、圧倒的な強さを見せつけた。

中里さんは、横浜市内のインターナショナルスクールに通う中学2年生。「強い子になってほしい」という母親の勧めで、小学1年生の頃にムエタイを習い始めた。市内や武蔵野のジムを経て、現在は神奈川県相模原市の「AKIRA〜budoschool〜」(青木亮代表)でほぼ毎日練習に励んでいる。

3月9日から17日までタイのプーケットで行われた大会「International&ThaiMartialArtsGames(ITMA)」では、ムエボランガデット(ムエタイ)部門の38キログラム以下級で出場。青木代表によると、同大会には全部門通して30〜40カ国の選手が集まり、それぞれ頂点を目指した熾烈な戦いが繰り広げられた。そのなかで、38キログラム以下の部門には中里さんを含め5人が出場。2試合ともKO勝ちし、自身初めての国際大会で優勝を飾った。

過去4大会で優勝

中里さんは国内でも好成績が続く注目の選手だ。2021年から22年まで、キックボクシングの大会「ノックアウト」、アマチュアキックボクシング大会「スマッシャーズ」、アマチュアムエタイ大会「ギーラームエ」、「WINDY」ムエタイ部門の4大会でいずれもチャンピオンに。

23年には日本対タイの対抗戦に出場し、タイ代表を相手にKO勝ちを収めている。

30日に行われた市長表敬では、「世界チャンピオンになるために努力してきた。これからも世界での試合にたくさん出場できたら」と挨拶。初宿市長は功績を称えると共に興味津々でムエタイを始めたきっかけなどを尋ねた。

得意技は首相撲

タイ発祥で「立ち技最強」ともうたわれるムエタイ。中里さんは普段は眼鏡で試合中はコンタクトを着用しているが、顔を打たれた衝撃で片方のレンズが落ちたこともあるほど。中里さんは「がむしゃらに前に出るだけでは階級が進むにつれ通用しなくなる。ジムでは足の角度などの技術面を指導してもらい、試合で出た課題を改善している」と勝つための戦略を研究。得意技は相手の頭を抱え込む「首相撲」という。

青木代表は中里さんに対して、「毎日の練習を欠かさない努力家。試合中の精神面のコントロールを磨けばさらに伸びるだろう」と若き才能に期待を込めた。

蒸し暑い屋外リングで相手の隙をうかがう中里さん=同ジム提供

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