札幌市の中学校で生徒の個人情報が載った書類を教師が一時紛失した問題で、この書類の一部とみられる画像がSNS上に拡散されていることが明らかになりました。個人情報が外部に流出した可能性があります。
「学年で1番面倒な人、ADHD的な面もあり、低学力小3レベル」
5日、274万人のフォロワーを持つ有名インフルエンサーがXに投稿した3枚の画像。生徒の学力や特徴などを記した個人情報が掲載されています。
投稿は6日午後1時ごろに削除されましたが、閲覧回数は2000万回以上にのぼっていました。
札幌市教育委員会 佐藤圭一教育部長)
「みなさまへの教育への信頼を損なう事態となったことを深くお詫び申し上げます」。
個人情報が流出した可能性があるのは札幌のあいの里東中学校。市教委によりますと4月10日に行われた1年生の学年集会で、担任の女性教師が1年生267人の個人情報が書かれた書類を体育館のステージ上にあった机に置き忘れたということです。
この書類は中学校がクラス編成のため、小学校側から生徒の情報を聞き取って作成した資料でした。
札幌市教育委員会 佐藤圭一教育部長)
「学校生活における配慮事項、苦手な食べ物、体調で配慮すべきこと、心理面の不安をどういう場面でこの子が覚えるのか」。
今回流出した画像には「クラスで1番幼い」、「コミュ力低い」などの文言が並んでいます。これが当該の書類だとすると教師からの誹謗中傷ともとられかねない内容が中学校に引き継がれていることになります。
書類は全部で10数ページあり職員室からの持ち出しが禁止されていましたが、女性教師は他の資料とともにファイルに入れて持ち歩いていたということです。8日後、書類を目にしたという生徒の保護者からの連絡で紛失が発覚。書類は見つかりましたが、この紛失した期間に、2年生と3年生の10数人が資料を閲覧していました。一部の生徒は書類をスマホで撮影していましたが、市教委は先月の会見で画像の削除を確認したと話していました。
札幌市教育委員会 佐藤圭一教育部長)
「調査の中で学校外への流出、SNS等への拡散という事実は認められておりません」。
流出を否定していた中で投稿された当該書類とみられる画像。投稿には個人情報の「有料売買も行われる」とも書かれていて、生徒の保護者は学校側への不信感を募らせています。
保護者)
「ありえないですよね。本当に売買されているならこの子がこういう子だとレッテルを貼られて生きていくことになる。知られたくない情報がたくさん書かれている書類だったので、こんなものを普通に置いていたのは信じられないし不安でしかない」。
札幌市内の中学校で校長を務めていた男性は学校側の管理体制の甘さを指摘します。
札幌市内の中学校で校長を勤めていた男性)
「常識的に持ち出しはしない。空き教室に書類を並べて(クラス編成について)ディスカッションする。そのまま職員室に持って帰って金庫に入れたりする」。
投稿の内容について市教委は。
札幌市教育委員会児童生徒担当課 廣田豊課長)
(Q紛失した書類とXに流出した画像は同一?)
「おそらくそのように思います。少しでも学校生活を楽しく過ごしてもらいたいという思いで学級編成をした。中学校の教師が作った資料に適切ではない表現が一部あったのは大変申し訳ない」。
市教委は今後、生徒の心のケアをしていきたいと話しています。
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