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福島市で開発が進む太陽光発電所で新たな問題です。6月2日、大雨で周辺の道路に泥水が流出し、福島県が一旦、工事の中止を指示していたものの、その後、撤回していたことが新たにわかりました。(※県は6日朝のTUFの取材に対し「中止の指示を検討していた」と説明していましたが、6日午後「中止を指示し、その後撤回した」と訂正しました。)
阿部真奈記者「先日の雨で大量の泥水が流失した現場です。いまは対策としてこのように土のうが置かれています」
道路に積み上げられた大量の土のう。周辺では、作業員が側溝から土砂などをかきだしています。
福島市の先達山で開発が進む大規模な太陽光発電所=メガソーラーをめぐっては、景観の悪化などが、指摘されてきましたが、新たな問題が浮上しました。
広い範囲で大雨が降った6月2日。この現場から大量の泥水が県道に流出しました。この流出について、県は5日、調節池に水を集める水路が、ふさがったことが原因とする結果を公表しました。
この泥水の流出をめぐり、県が工事の中止を指示しましたが、直後に一転して撤回していたことが新たにわかりました。
中止を指示したのは、県の出先機関で、森林の保全などを担当する県北農林事務所。中止の指示は4日に出されました。ところが、その後、本庁と協議した結果、「計画に違反する内容はない」などとして、中止は撤回されたということです。
一方で、住民の間では、不安が広がっています。
流出現場近くに住む人「この前の2日の雨でこれでしょ。行ってみたらやっぱりものすごい(泥水)こっちから」
気象庁によりますと、2日に現場周辺で観測された降水量は30.5ミリ。今後はさらに強い雨も予想されます。
流出現場近くに住む人「大雨降ったり、70ミリ、100ミリ…100ミリなんて降ったらとんでもないな、(住宅地まで)流れるね」
住民の不安が尽きない先達山のメガソーラー。今後について県は「災害発生時の速やかな報告と適切な開発を指導していく」としています。
工事中止を翌日撤回 経緯は
泥水の流出をめぐる一連の経緯をまとめました。
流出があったのは、福島県内の広い範囲で雨が降った6月2日のことです。これを受けて、県の農林水産部と出先機関で森林保護などを担当する県北農林事務所が、現地を調査し、聞き取りも行われました。
そして、4日になって、農林事務所が、工事の中止を指示しました。元々の計画では、水が流れないように対策することになっていましたが、現に泥水が流出したため、計画に違反していると判断したわけです。
ところが、中止の指示は1日経った5日、つまり直後になって、撤回されました。県によりますと、事業者側はすでに応急措置として水路を掘り直していて、対策を進め、そして、その後の雨でも流出は確認されませんでした。
農林水産部と事務所が再度協議した結果、「流出への対策をしているので、明確な違反はなかった」と最終的に判断し、中止を指示しても「意味がない」として、撤回したということです。
2日の降水量は、30ミリほどで、これからの季節はもっと強い雨も想定されます。今後同じようなことがないよう、行政にはきちんと監督する責任があります。
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