「からかい上手の髙木さん」が好きすぎて“聖地巡礼”ならぬ“聖地移住”した28歳男性「高木さんに人生変えられた」【香川・小豆島】

映画やアニメのファンが作品の舞台となった場所を訪ねる「聖地巡礼」。その思いが募り、ついには移住してしまった男性が香川県の小豆島にいます。映画化もされ大人気の「ある作品」の虜になり、「人生を変えられてしまった」と話します。

友人の勧めではまったアニメ 好きすぎて小豆島に移住

現在公開中の映画、「からかい上手の高木さん」は、香川県の小豆島を舞台に、からかい上手の高木さんとからかわれっぱなしの西片、同級生2人の日常を描いています。漫画が原作で、アニメ化、ドラマ化もされてきました。

この作品が好きすぎて2年前に小豆島に移住した、熊本康太郎さんです。今はオリーブ園を運営する農業法人で働きながら、高木さんの世界に浸る毎日です。

(熊本さん)
「ここはアニメの2期でも出てきているんですが、【お土産】という回で対岸を2人が歩いているのがよく出てきます、景色がほぼ一致する感覚で、アニメの世界に浸れるスポットです」

熊本さんが岡山大学の3年生のとき、友人の勧めではまったのが、アニメの高木さんでした。当時、岡山から小豆島に通い、作品と重なる景色に惹き込まれていったといいます。特にお気に入りの場所と案内してくれたのが、この階段の先です。

(熊本さん)
「重岩という場所で、原作・アニメ・実写ドラマ・実写映画の全てで出てきたと言われてる場所です。高木さんたちが暮らした風景なのかなと思いながら見るといいなと思います」

いつしか「小豆島そのもの」が好きに

一度は岡山で就職した熊本さんでしたが、移住を決意します。「高木さんが暮らす街に住みたい」と思うと同時に、小豆島のことも好きになっていました。

(熊本さん)
「実際に小豆島に来て、オリーブいいなと、栽培してみたいなとか、やりたいことと住みたい地域が同時に決まって、高木さんを見てからは、高木さんに人生を変えられたなと」

「聖地」になった小豆島 島の住民もびっくり

映画の夏祭りの場面が撮影された、亀山八幡宮です。この場所も、「高木さん」をきっかけにようすが一変。「聖地」として注目を集め、観光客が訪れるようになりました。「聖地巡礼」は、「地域活性化」の大きなチャンスです。

(亀山八幡宮)
「私が小さいころはこの場所に櫓を組んで、盆踊り大会をしていました。それが再現されて嬉しく思います。この映画を機会にこの場所がロケ地巡りのひとつとして観光客に来ていただきたい、伝統をつないでいくにはこのような新しい試みがあってこそなので、今回のからかい上手の高木さんは歓迎しています」

「高木さん」きっかけで「人生が変わり続ける」熊本さん

作品を愛するがあまりに等身大パネルまで作ってしまった熊本さん。アニメの主題歌が弾きたくて、ピアノも独学で覚えました。さらに、貴重な経験もできたと話します。

(熊本さん)
「最近放送があった実写ドラマで、エキストラとして出演したりだとか、観客として主演2人を見るだけの時間もあって、現実に高木さんが出てきたらこんな感じなんだろうと」

聖地に移住して3年目。休みの日にはお気に入りのアクリルスタンドと写真を撮るなど、「推し」との日々を楽しんでいます。小豆島への愛も、ますます深まっています。

(熊本さん)
「高木さんも好きですし、『小豆島』と言うワードが出ただけでときめく、思った通りでギャップを感じることもなく楽しい日常が送れているので、移住して良かったなと」

理想の作品と出会い、その世界観で暮らす。いまや「聖地移住」こそがブームの最先端なのかもしれません。

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