裏金事件で処分や注意、福井県関係の国会議員の反応は 規正法改正案の衆院通過、高木毅氏は「成立したら適切に対応」

 政治資金規正法改正案の衆院通過について、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で処分や注意を受けた福井県関係の国会議員らは「政治の信頼回復へ全力を尽くす」「法順守、運用こそ大事」などと強調した。

 裏金事件で党員資格停止6カ月の処分を受けた元安倍派事務総長の高木毅衆院議員(福井2区)は「野党の意見も取り入れながら慎重に審査し、衆院を通過した。(参院で)成立したら適切に対応していく」と述べた。稲田朋美衆院議員(福井1区)は「(付則に盛り込まれた)検討課題に真摯(しんし)に取り組み、早期に結論を得ることが必要」とし、「信頼を取り戻すべくまい進したい」とした。

 改正案の付則には国会議員自らが代表を務める政党選挙区支部への寄付に対する税制優遇措置の適用除外の検討も盛り込まれた。党選挙区支部に寄付し税控除を受けていたことが明らかになった稲田氏は「各党各会派で議論をし、ルールを作っていくことが重要」とした。

 滝波宏文参院議員(福井選挙区)は改正案について「(裏金問題の)再発防止に必要な要素は盛り込まれている」とした一方、「政治資金の透明化の実現に向けた運用こそが大事だ」と強調。参院での審議には「参院で自民は単独過半数ではないため、丁寧に他党の理解を得て成立させ、信頼回復につなげる必要がある」と話した。

 山崎正昭参院議員(福井選挙区)は「政治への信頼回復に向け、参院でさらに濃密な審議を重ねていく。現時点でのコメントは差し控えたい」と述べた。裏金事件で党役職停止1年の処分を受けた山谷えり子参院議員(比例、福井市出身)は改正案成立後の法順守が欠かせないとし「国とふるさとへの恩返しの思いを込めて頑張っていく」と襟を正した。

 裏金事件を巡り、高木氏は政治資金収支報告書の不記載額が1019万円あり、報告書を訂正した。山谷氏の不記載額は2403万円。稲田氏は196万円、山崎氏は4万円で、それぞれ幹事長注意を受けた。滝波氏は還流はなかったとしている。

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