つむぎ織の芸術感じて 人間国宝・志村さん生誕100年展開幕 小山の着物店で10日まで

自然素材で染められた志村さんの着物

 【小山】人間国宝の染織家志村(しむら)ふくみさん(99)の生誕100年記念展「自然の織りなす色は何よりも美しい」が6日、中央町3丁目の着物専門店「あまのや本店」で始まった。10日まで。

 志村さんは滋賀県出身。植物染料にこだわり、つむぎ織りを芸術の域に高めたとして1990年に人間国宝に認定された。現在も京都・嵯峨野を拠点に制作に励んでいる。随筆家としても知られ、2013年には芸術学校を開校し後進の育成にも当たっている。

 記念展には志村さん制作の着物4点をはじめ、娘の洋子(ようこ)さんとの合作や、監修して作られた作品計20点が並ぶ。中でも1957年の日本伝統工芸展で奨励賞を受賞した「秋霞(かすみ)」は貴重な作品。志村さんが初めて手がけた着物で、濃い藍に無数のつなぎ糸が織り込まれている。近く滋賀県立美術館に収蔵されるという。

 同店の天野喬司(あまのたかし)社長(40)は「大手百貨店でも見ることのできない貴重な着物。自然の色や文化の薫りを感じてほしい」と来場を呼びかけている。

 午前10時~午後6時半(最終日は4時)。入場無料。要申し込み。(問)同店0285.22.0062。

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