「まだまだ追及できるところが…」 渋野日向子は気持ち切り替え3日間大会へ

プロアマ戦で調整をした渋野日向子(撮影:ALBA)

<ショップライトLPGAクラシック 事前情報◇6日◇シービューGCベイC(米ニュージャージー州)◇6197ヤード・パー71>

先週の「全米女子オープン」で2位になった渋野日向子。開幕前日の6日(木)はプロアマで18ホールプレーし、今週の3日間大会の最終チェックとした。

「(先週は)これまでからするとすごくビックリな最終成績。ちょっとした安心感もあったし、これからもっと頑張らないとと気を引き締める大会にもなりました」。あの激闘から4日。今は、目の前の試合に集中している。

コースで手を焼きそうなのは、クセの強いポアナ芝が敷かれるグリーン。今年は例年よりも軟らかい仕上がりになっているため、余計にボールが跳ね回ることも予感する。「あまり“ポコポコ”とか周りに左右されず自分のストロークに集中したい。跳ねる分、イレギュラーな外し方も出てくると思うけど、そこはあまり引きずらないでいきたい」。しっかりと自分のストロークを貫く。あとはひとつでも多くカップにねじ込むだけだ。

とはいえ6197ヤードと短いコースとあって、しっかりとチャンスも訪れそう。「ショートアイアンで打てるところはしっかりつけたいし、パー5も短いところが多いから、そこでどれだけバーディを取れるか」。3つあるパー5は3番が465ヤード、9番が477ヤード、18番が507ヤードと500ヤードオーバーはひとつ。昨年大会では3番がもっとも簡単な難易度18位で、18番が17位、9番が16位という結果だった。伸ばしあいも予想されるだけに、ここで取りこぼすわけにはいかない。

復調に向け試行錯誤を続けてきたシーズン。この日もプロアマ前の練習場ではクラブをテストする姿が見られた。「まだまだ追及できるところがたくさんあるからやっていく」。先週はウェッジ、パター以外のシャフトを“全とっかえ”したが、よりよいものを求め、“安定”につながる“挑戦”を続けていく。ここまでクラブに向き合うのは「初めてですかね」ともいう。「これだけシャフトって大事なんだな」。こういった発見をひとつずつ積み重ねていく時間を過ごしている。

予選ラウンドの2日間は、全米を制した笹生優花と同組になることが決まった。今週は火曜日に行った練習ラウンドをともにしたが、本戦での“ガチンコ対決”が実現したことになる。「(先週は)最後まで諦めず戦ったんですけど最後は優花がすごく強かった。悔しい気持ちもありますけど、すごく刺激をもらったし、改めて優花のすごさを知った」。そう語る仲良しの後輩とのラウンドも、背中を押してくれそうだ。

先週は渋野自身も他の選手に刺激を与える存在に。全米女子のラストシーンをグリーン脇で見守っていた西村優菜が「優花も“ぴな姉”(渋野)もいいプレーをしていたし、すごく刺激的な1週間だった」と語るなど、その影響は大きく広がっている。そしてこれは、渋野にとっても「他の選手が頑張ってるのはすごく刺激になるし、そういう立場になりたいというのもあった。これをきっかけに自分も頑張らないとなと思いますね」というモチベーションになる。

この日のプロアマでも安定したショットでゲストを盛り上げた。「すぐに切り替えはできたつもり。少し疲れは残っているけど、しっかり寝て、食べて頑張りたい」。2年ぶりに出場する大会で、取り戻しつつある自信をさらに大きなものにする。(文・間宮輝憲)

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