葉山町一色在住の金振さんが、地球環境・郷土愛をモチーフにしたSF舞台劇を9月に上演予定 逗子市・葉山町

チラシを手にPRする金さん

湘南国際村センターを拠点とする公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)で気候変動とエネルギー領域の研究に携わる金振さん(48)=人物風土記で紹介=が、葉山を舞台にしたSF劇の制作を進めている。研究成果を分かりやすく伝えることを目的に、町内のいろいろな人と関係を強化。9月21日(土)の葉山町福祉文化会館での上演に向け奮闘中だ。

地球の環境問題を研究する金さんは3年前、「自分の足元である葉山のことが分かっていない」と思い至り、葉山町の人口分布、地形、森林農地、交通など町に関するあらゆるデータの蓄積を始めた。しかし、その成果をどのようにして広く知ってもらうか。「論文にまとめても伝わらない。SF劇にしてみたら多くの人に伝わるのではないか。そんな突拍子もない思いで始めました」と舞台製作のきっかけを話す。

SF劇は西暦4567年、地球に住めなくなり火星に移住した人類が、地球を蘇らせるために、過去の地球にタイムスリップし、葉山で地球復活の鍵になる宝を探すというストーリー。

「地球に命があるという前提で、いまバラバラになっている人間と人間、自然と人間、物と物など、さまざまなものを一つの運命共同体として地球環境を考えなければならないことを分かりやすく説明できれば」と舞台の狙いを語った。

まちを一つに

今回の芝居は葉山町制100周年記念事業として行う。金さんは「物語の中には葉山の文化を取り入れ、舞台が終わった時にはまちのみんなが主役だったというようにしたい。そしてまちの思い出として残せれば」と夢を描く。

計画を実現しようと、当初、ビーチサンダルの老舗「げんべい」にコラボしようと声をかけた。ところが話は、コロナの影響で在庫過多となったサンダルのソールなどを用いた作品作りのコンテスト開催に発展。また、きもののリメイクを手掛ける店に芝居への協力を要請したところ、店主はげんべいとの企画にも興味を持ち、作品第一号を作るなど、意外な店と店のつながりも生まれた。

金さんは常々、「葉山はさまざまな活動をしている団体が多いものの、横のつながりが薄い」と感じていた。今回、舞台製作に向け動く中で意図しない「きずな」ができたことから、「芝居を通じて、まちがひとつになったらうれしい」と笑顔を見せた。

また、「演技、舞台美術、衣装制作などに興味のある方、一緒に舞台を作りませんか」と呼びかける。

(問)株式会社GREENEARTHHAYAMA【メール】greenearthhayama@outlook.com

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