17歳のアンドレーワ決勝進出ならず!「がっかりしたけどそれが現実、前に進まなければならない」【全仏オープンテニス】<SMASH>

いよいよクライマックスが迫っているテニス四大大会「全仏オープン」は現地6月6日に女子シングルス準決勝を実施。ここまで快進撃を続けてきた17歳のミラ・アンドレーワ(ロシア/世界ランク38位)は、第12シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア/同15位)に3-6、1-6の完敗を喫し、残念ながら自身初の四大大会決勝進出とはならなかった。

昨季は当時16歳で出場した全仏で3回戦に進出し、直後のウインブルドンでもベスト16入りを果たしたアンドレーワ。今季は1月の全豪オープンでも16強。さらには全仏前哨戦のマドリード・オープン(WTA1000)でもベスト8入りするなどまだティーンエイジャーとは思えない大舞台での強さを見せており、世界ランキングでもすでにトップ40に入っている。

迎えた今大会は2回戦で四大大会2度の優勝を誇る元世界1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/同21位)をフルセットで破ると、勢いそのままに3、4回戦もストレートで突破。そして準々決勝では今年の全豪で連覇を成し遂げた世界2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に6-7(5)、6-4、6-4の逆転で金星を挙げ、初の四大大会ベスト4へと駒を進めていた。

準決勝の対戦相手は今年2月の「ドバイ選手権」でWTA1000シリーズ初の優勝を飾った28歳のパオリーニ。先述のマドリードの4回戦で戦った際は勝利していたため、アンドレーワにとっては何としても勝っておきたい相手だった。

しかし今回は立ち上がりからストローク戦で精彩を欠き、第3ゲームでブレークを許してそのまま1セットダウン。第2セットに入っても流れを取り戻せず、第2ゲームから立て続けに6ゲームを失って1時間13分で敗退となった。
試合後の会見では計29本ものアンフォーストエラーを叩いたことを踏まえ、「普段はやらないようなものも含め、たくさんのミスを犯してしまった。(試合中)最も難しかったのはそれを受け入れることだった。なんとか対処しようと戦い続けたけど、今日はそういう日じゃなかった」と悔しさを滲ませたアンドレーワ。

続けて「もちろん、彼女(パオリーニ)は素晴らしいテニスをしていた。彼女が準決勝に進出したのにはそれだけの理由があると思う」と素直に勝者を称えた。

それでも今大会のパフォーマンスには大方満足している様子だ。

「今日は負けたとはいえ、良い結果を得られたとは思う。この大会から多くのポジティブなことを見出せた。もちろん、最後の試合は少しがっかりしたけど、それが現実。私たちはまた前に進まなければならない」と前向きにコメント。新たな学びを得たいのか、現地8日に行なわれるパオリーニとイガ・シフィオンテク(ポーランド/同1位)の決勝については「もちろん見るわ」と話した。

成長著しいアンドレーワならまたすぐに四大大会初制覇のチャンスはやってくるだろう。この悔しさをバネに、今後のさらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

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