牛肉のうま味が凝縮!精肉店が作る『福島牛ラーメン』

福島県内で長く愛されている老舗の今に迫る『老舗物語』。今回は創業76年、白河市の精肉店です。店を切り盛りする親子は愛される名物を残しながら、新しい味にも挑戦しています。

白河駅から車でおよそ4分ほどのところにある、こちらのお店。黄色い看板が目印の『MDとみやま』。1930年代に生糸の生産業から始まり、その後、鶏肉販売店として精肉店へ。今年で創業76年を迎える老舗です。43年前に改装し、MDとみやまとして現在の屋号となりました。

ちなみにMDとみやまの『MD』は、『ミート(お肉)&デリカ(お惣菜)』。お肉とお惣菜のお店なんです。そんなMDとみやまの常連さんおすすめが・・・?

\--常連さん「コロッケだね、ここはね。」

\--常連さん「お肉はあまり買わないけど、コロッケとか。」

\--冨山強さん(MDとみやま3代目)「40年ぐらい前にこのお店を新しくしましたので、そのときにお肉中心からお惣菜中心に変わってます。」

現在は3代目の強さんが中心となり、精肉とお惣菜の販売を。

そして2代目の正男さんが、息子・強さんのサポートをしています。この道50年以上の大ベテラン。正男さんが守り続ける人気お惣菜とは?

\--常連さん「『ふつうのコロッケ』。いろいろあるけれども、これの方がいい。」

販売当初から変わらない材料で作る、その名も『ふつうのコロッケ』

\--冨山正男さん(MDとみやま2代目)「昔はね、このコロッケ一本だったのね。父親がやっていたのを私が受け継いだ。お肉とタマネギとおいも、それだけ。(当時は)物も無いし、あるものでやってた感じ。」

物資が不足していた時代に、地元の方々においしいものを届けたいと誕生した『ふつうのコロッケ(125円)』。具材は、ジャガイモと挽肉とタマネギだけ。シンプルだけど、いつ食べても変わらないその味が懐かしく安心する。

そして2代目の正男さんが考案したコロッケ『チロルポティ(125円)』も。

\--冨山正男さん「(昔は)ハムもスライスして売ってたのね。そうすると、やっぱりたまには残るよね。それを商品として生かすために考えて作りました。」

牛乳を混ぜたクリーミーなジャガイモをハムで包んだコロッケ。ハムの有効利用として考案されたお惣菜です。

その他にも、自家製ミートソースをジャガイモで包んだ『バーガーコロッケ(145円)』
3代目の強さんが考案した『エビコロッケ(220円)』など、それぞれの時代に合わせたお惣菜を作り出しているんです。

さらに3代目の強さんは、こんな新しい取り組みも。

\--冨山強さん「福島牛をもっと手軽に味わえるようなお店ができないか考えたときに、食堂をすればもっと気軽に食べられるのではと思って、やろうと思いました。」

老舗精肉店だからできる食堂をオープン。もちろん、コロッケやメンチカツなど人気のお惣菜を使ったメニューもあります。

そしてこのお店には他にはない福島牛を使ったメニューが。

\--冨山強さん「お待たせしました、『福島牛ラーメン』のしょうゆ味です。」

お店の名物メニュー『福島牛ラーメン(しょうゆ)(600円)』。一見すると普通のラーメンですが、実はこんな秘密が。

\--冨山強さん「牛肉からスープを作ってます。」

なんとこのラーメン、スープを福島牛のお肉から取っているんです。

\--冨山強さん「コロッケの風味と、ラーメンの風味って似てるなと思った。」

みじん切りにしたタマネギに福島牛の脂身を加え、じっくりと炒めます。

\--冨山強さん「タマネギの水分とお肉の脂のみです。脂の中に牛肉のうま味が一番詰まっていますので、脂から溶け出したうま味が全体に溶け出していきます。」

濃厚な福島牛のうま味が麺に絡み、まさに唯一無二のラーメンです。新しい味と昔ながらの味。
これからも親子でこの二つを守り続けます。

『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年6月6日放送回より)



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