西浦賀の虎踊り 300年の伝統を次世代へ 子役が躍動 横須賀市

縦横無尽に暴れまわる虎を和藤内が退治する場面

西浦賀・浜町に伝わる民俗芸能「虎踊り」が6月8日(土)、為朝神社(西浦賀4の12)で奉納舞として披露される。

神奈川県の指定無形民俗文化財に登録されている虎踊りは1720年、奉行所が伊豆下田から浦賀に移転した際に伝えられ、同町内で伝承されてきた。

題材は近松門左衛門の『国姓爺合戦』。男児が演じる和藤内の登場から始まり、太唐人が引き連れた女児による唐子が歌いながら踊る。舞台後段で暴れる親子の虎を和藤内が神符で成敗して見得を切るシーンが最大の見せ場となる。

唐子や和藤内など子役が多い虎踊り。浦賀虎踊り保存会会長の高畑昌弘さん(87)によると「自分が幼い頃は希望者が多く抽選で出演者を選んでいたが、今では町内の小学生は2人にまで減ってしまった」。現在は町外からの参加者も積極的に募集し、活動を維持している。舞台設営などの裏方も力と技術が必要で、「取り組み全体を各世代が協力して継承してきた。興味のある人は誰でも歓迎」と話す。

子虎は新人兄弟

今年から子虎に扮するのは相澤克海さん(高1)・宏紀さん(中2)兄弟。かねてより虎役を希望していた宏紀さんは昨年まで和藤内として出演。「念願が叶い、緊張よりワクワクが勝る」と本番を前に気合は十分だ。午後7時30分開始。

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