かぶと塚ふれあいの樹林愛護会 緑地保全で国交大臣賞 四半世紀の活動を評価 横浜市鶴見区

サツマイモの苗を植える会員たち=提供

緑化推進や花と緑の愛護に顕著な功績のあった民間団体を表彰する第35回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰で、駒岡の「かぶと塚ふれあいの樹林愛護会」(岩崎幸男会長)が受賞した。全国で97団体が受賞し、うち横浜市内からは4団体。6月1日には和歌山県で開かれた「みどりの愛護」のつどいで感謝状の授与式が行われた。

市立上末吉小学校の西隣にある「かぶと塚ふれあいの樹林」。この地はかつて古墳や貝塚など歴史的文化遺産があった場所で、同愛護会はその遺産や緑地保護を目的に1999年3月に地域住民有志が設立した。

設立時から同愛護会の会長を務め、現在は相談役の小山和雄さんは「宅地化も進むこの地域で、昔は古墳や貝塚があった歴史を後世に伝えたかった。『地元のためなら』と、各町会や皆が積極的に協力してくれた」と話す。

愛護会では現在63人が活動。約1・2ヘクタールの同樹林には斜面地も多いが、残された貴重な緑を守るために会員たちが毎月の草刈りや清掃活動のほか、樹林に続く尾根を毎週巡回するなど、利用者に快適で安全な緑地づくり、自然環境の確保を図っている。

また、ふれあい活動として広場でサツマイモを栽培し、近隣の小学校に土に親しむ機会として提供。コロナ禍前には一緒に収穫祭を開いて楽しんでいた。

今回の国土交通大臣表彰は、四半世紀にわたるこのような活動が評価されての受賞。岩崎会長は「地元のためにと、これまで皆で頑張ってきた活動が評価されて大変嬉しい」と喜びを語る。毎月の活動は緑地保全だけでなく、住民の交流の場にもなっていると話し、「この活動を次世代に繋げていくことも大切。今後もここが市民に親しまれる憩いの場となるよう、皆で活動していきたい」と語った。

※兜塚名称の由来…約500年前、小机城を攻めたとされる武将、太田道灌が加瀬の台(現在の川崎市幸区夢見ヶ崎)に城を築こうとし、その地で一夜を過ごした。その夜、道灌は夢の中で、兜を鷲が持ち去りこの地に落としたという夢を見てこの地に自分の兜を埋めたという伝説から、兜塚と呼ばれるようになったと伝えられている。同広場に石碑がある。

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