怪我から復帰した湘南の副将・舘幸希はキャプテン不在の穴を埋められるか「ミンテの想いを受け止めて、期待を裏切らない働きをしたい」

守備の要を担うキャプテンが不在のなか、同じCBで副将を担う26歳の復帰がチームに活気をもたらすかもしれない。

6月5日の湘南ベルマーレの公開練習。ピッチには3月31日のトレーニングでの負傷(右大腿二頭筋損傷)が発表されていた舘幸希の姿があった。

湘南は現在、主将のキム・ミンテが右第4足趾、基節骨骨折で離脱中。チームの精神的支柱であり、ディフェンスリーダーを担う背番号47の不在を、大岩一貴のリベロ(3バックの中央)起用やMF鈴木淳之介のCBへのコンバートで凌いでいる状況だ。

苦しい台所事情のなかで復帰した副キャプテンの舘は、現在リーグワースト2位の32失点をしている守備の再構築へのキーマンになるかもしれない。

今季ここまで公式戦の出場がない舘は、戦線復帰へ向けて気持ちを昂らせているようだ。

「やっと復帰です。ずっと中(室内練習)だったので、寂しかったですね。離脱中、チームとしてやっていることは間違っていないけど結果がついてこず、外から見ていてももどかしいかった。自分が試合に出て、失点を減らしたいと思っていました。サッカーから離れていた分、今は前よりもサッカーを楽しめているので、そのエネルギーを練習からチームに還元したいです」

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以前、キム・ミンテは、副将の任命について「最終的には(山口)智さんが決めた形ですが、僕は舘にやってほしいと思っていたし、監督にも伝えていました」と語っていた。舘は選手会長を務めるほど周囲からの信頼が厚く、昨年の夏に湘南に加わった主将も舘の人間性を高く評価していたようだ。

キム・ミンテが自身を副将に推薦した背景を知らなかったという舘はこの話を聞き、次のようにコメントした。

「ミンテの不在の影響は大きいと思います。ただ、ガンバ戦でジュン(鈴木淳)が出て、ミンテと遜色ないプレーができたのは、このチームの良さです。自分も含めて競争して、全員で高め合える環境を継続していきたいですし、自分を評価してくれたミンテの想いを受け止めて、期待を裏切らない働きをしたいです」

舘は174センチとCBとしては上背こそないが、チーム随一の対人守備の強さと跳躍力を持ち、機を見た攻撃参加も武器のひとつだ。「復帰してから実戦形式の練習がないので、どこで出るかは分からない」と語るが、もし3バックの一角に入れば、攻守で強度を高めてくれるに違いない。

次節は6月16日のJ1第18節・名古屋グランパス戦だ。舘はライバルとの競争を制して今季初出場を記録し、キム・ミンテの穴を埋める活躍を見せられるか。高いモチベーションで試合に臨む背番号4に注目したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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